知性とユーモアのある通り | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

ミラノに住みはじめてちょうど15年。
まだまだ知らないことや場所がたくさんある。

ミラノのほぼ中心地にある幼きマリア修道会、通称マリアバンビーナの聖書の会に通い始めて丸12年が経ったが、毎週通いつつ、周りには結構知らない小道がたくさん。

最近、マリアバンビーナの裏にある老人ホームに通っているが、素敵なお店、素敵な風景を立ち止まりつつ眺めている。


 



ガエタノ•ピーニという私も2度も急患でお世話になった整形専門の病院があるが、その病院の依頼によって整備された歩道。石が敷き詰められており、なんと5世紀につくられ19世紀に修復されたカリメロ教会がある。余談だが、
カリメロといって思い出すのは、卵の殻を被った黒いひよこのカリメロのアニメであろう。アニメといえば、大抵日本発のものが多いが、意外に知られていないのは、「カリメロ」はイタリアのアニメということ。また、その名前は、
ギリシャ語のKallimerosに由来とし、Kalosは「美しい」、merosは「脚」であり、カリメロ=「美しい脚」を意味する。

また、外からはあまり見えないが、ミラノ大学やクラウズーラ(禁域)と呼ばれる観想修道会もある。観想修道会とは、基本的に修道院の中だけで祈りと観想、労働を中心とした生活を送る修道会のことで、外的な活動にかかわらず、神様の豊かな恵みをすべての人の上にももたらすよう、神のみ言葉の黙想に励み、生涯、一定の修道院に定住する。つまり、修室がある場所や部外者が入ることが許されていないのだ。

話は基、上記の遊歩道がお気に入り。もう少し暖かくなったら、ベンチに座って、本を読んだり、編み物をしたいくらいだ。(ってちょっと年寄りチック?!)この外壁は、2年前、ガエタノ•ピーニ病院の創立140周年の際、カリプロ財団の支援及び、ミラノ市、ミラノ県そしてステリーネ財団の協力によって作られたのだが、いつも立ち止まって読んでしまうのが、日本でも有名なアーチスト、ブルーノ•ムナーリの名言。




もし誰かが、これなら自分にも出来る、と言うとしたら、それはすでに真似出来るという意味で、でなければ先にやっていたはずだ。byブルーノ•ムナーリ 


ムナーリといえば、”フトゥリズモ”と呼ばれるイタリアの前衛美術運動の一つである「未来派」の活動に参加。


あふれる想像力ってなんだろう?それは知性とユーモアが自由な発想で膨らむことなんじゃないかな。ちょっとばかし勉強なんてできなくてもいいわ。「普通」じゃなくって「ユニーク」な人間が面白い。


古き良き時代の面影を残すミラノの街中に、想像力と遊びがあふれる通り。

まだまだ寒いミラノだけれど、目を楽しませてくれるウオールアート。街を歩いて新たな発見を見つけよう。