子育て備忘録 ~ ジブラン | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。


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かれこれ10年以上前に、ミラノのブティックで購入したアクセサリーはある詩が書かれたコピー用紙に包まれていた。何気に読んだその詩。

i vostri figli"(あなた方の子供)。
あなたの子供はあなたのものではない。...神様からのお預かり物、そう思って育てたら、どれほど大切に育てられるだろう、と思いつつ、ついつい自分の所有物の様に、そして自分の思い通りに育てようとしてしまう。

Gibran Kahil(ハリール・ジブラン)というレバノン人の詩人は、イスラム圏のダンテとも呼ばれる哲学的詩人だ。

あなたの子供はあなたのものではない。彼らは命そのもの憧れの息子と娘である。

彼らはあなたと共にあるけれどあなたの所有物ではない。

あなたは彼らに愛情を与えるが、あなたの考えを与えることは出来ない。なぜなら彼らは自分自身の考えを持っているから。

あなたは彼らの身体を宿すことは出来るが彼らの魂を宿すことはできない。なぜなら彼らの魂は明日の家に住んでおり、あなたはその家を夢にさえおとずれられないから。

あなたは彼らのようになろうとつとめるが、彼らに自分のようにならせようとしてはならない。何故なら、人生はあともどりもしなければ、昨日とともにためらいもしないから。

あなたは弓のようなもの
その弓からあなたの子供たちは生きた矢 のように射られ手前にはなたれる。射るものは永遠の道の上に的を見定め、力一杯あなたの身をしならせ、その矢が早く遠く、飛び行くように力を尽くす。

射る者の手によって 身をしなわせられるのを喜びなさい。 射る者はとび行く矢を愛するのと同じように じっとしている弓をも愛しているのだから。 


子育ては弓矢の様なもので、親は力一杯弦を引いて狙いを定めて射るが、放たれた矢の軌道は親は直せない。

親は、子育てに口, 手、そしてお金も出すが、一旦放った弦は、口出しは本来いけないのだろう。子供は子供なりににちゃんとやっていくのだから。飛びつつある矢をこっちに向けようとしたり、あっちに行ってくれなんて言えない。もちろん言うべきことではないのは、わかりつつ、ついつい言ってしまう。

弦をぐーっと引いて、照準を合わせるところまでは親の仕事。後は、見守るしかない。

わっかってるんだけどなあ...ということで、悩んだ時は、この詩を読み返す様にしている。


http://ameblo.jp/sofiamilano/day-20110301.html