初稽古 ~ 千本突き | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで33年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

新年に入り、すでに8日が過ぎてしまったが、空手の初稽古があり3つの道場の門下生が集まり「千本突き」が行われた。



道場の壁には門下生一人一人の、2016年の目標が貼り出された。それは、師範の心を込めた直筆によって修められている。その自分の目標を睨みながら型を打ち、目標を確実に心に刻むというもの。

師範がおっしゃるには、「目標設定は自分だけのためではなく、他人の役に立つ目標設定をする」ものらしい。

私の目標は、「稽古週4回、皆勤をめざす」。あくまでも”めざす”のだが、空手を始めて8ヶ月。夏休み前あたりからは、週4回稽古に出ているし、このおかげで時間のやりくりもさらに無駄なく、そして怠惰な子供たちも少なくとも週2,3回は付いてくる。「ママは空手が楽しいから勝手に週4回通っているだけで、あなたたちは義務じゃないし、自分の宿題や勉強をうまくやりくりして時間を作りなさい。ただし、やれるのにやらないのは怠慢!」私は自分にも厳しいが、他人にも厳しい。笑

さて、今日の初稽古は子供達の雑巾がけから始まり、軽い準備体操と鍛錬。今年から腕立て伏せが35回、足上げ腹筋が1分とアップ。そして指定された順番に正座。空手は礼に始まり礼に終わる。稽古を始める前には必ず正面に対し礼、宗家岡田先生に対し礼、師範に対し礼、ご父兄に対し礼、をする。心を落ち着けて精神統一。

今回は、師範より「琉球空手の歴史」の話があった。たまに長男が通訳に呼ばれるのだが、師範の言葉を、自分の言葉(イタリア語)に置き換えてイタリア人の門下生にもわかるよう説明しているので、良い機会を与えてくださったと感謝しつつも彼の頭を素通りしていないことを期待している。『今日は、これから千本突きが行われるが、中にはただ単に千本突く動作をする者もいるだろうし、一本一本心を込めて打つ者もいるだろう。それは勉強でも仕事でも同じなのだ。ただ、早くこの時間が終われば良いな...と思って過ごす者と、一生懸命取り組む者では、身につき方、伸び方が全く違う..』という話をされ、下を向きつつ、うなずきながら頼むよ長男!と心の中で思っていると、「そうだよな、Y!」と長男に確認するよう師範から声がかかった。ほ~ら、見透かされてるんだ!と心の中で大笑い!

...というわけで、千本突きが始まった。師範と黒帯の指導者4名が最前列に並び、号令をかけ、合いの手を打つように我々が気合を入れていく。1秒1発ペースで休みなし。私の目標は、私の正面、やや上目でみるような角度だ。週4回、絶対やる!絶対できる!呪文のように自分に言い聞かせる。(実際高校時代の部活の練習は週7回。朝練もあった。30年のギャップなんてなんのその...)

...とはいえ、4, 50本目あたりからなんと左足が震えだしてきた。4人いるから25周だな。8周あたりでまだ3分の1。気が遠くなりそうだ。全体での気合も徐々に合わなくなってきている気がした。特に叫ぶように声を出している子供のペースが早くなってきているぞ!汗が流れ始めてきた。暑い!前髪が邪魔だ!3週間ぶりの稽古だが、気持ち太り気味だったが、数日前からプチ断食で体重も元に戻り、お腹周りもスッキリしてきたから、まだマシだった。ちょっとした肉付きやたるみで、突きや蹴りの負担も変わってくる。

途中膝を伸ばしてしまったり、突きが緩むこともあった。千本よりも集中した10本の方が意味があるのでは?いや、数を重ねた方が、無駄な力、無駄な動きが抜けて良いのでは?なぜか雑念が頭をよぎる。気がついたら、あと20本!と言われた。えっもう??? 誰も投げ出す人はいなかった。やれるもんじゃん!

少し休憩をおいて、次に前蹴り100本。「えっ500本じゃなかったの?」と隣の同い年のママ友。だったら、余計に100本は余裕だね!と笑ったが、膝が上がらない!

それでも、なんとか100本やり遂げた。思わず皆で拍手。気持ちのよい汗がかけた。

その後、子供達の補習校があったが6時に次男を迎えに学校に戻ると、何がどうしてしまったのだろう?「僕は空手が好きだからやってるんだからね。ママがやれって言うからやっているんじゃないよ。」と言う。「あ~そりゃ良かった。あとは努力と結果だわ。」と言って笑ったのだが、好きじゃないと物事続かない。もちろん、努力も必ずしもすぐに結果にならないことも多いだろう。忍耐力も必要だ。いずれにしても、小さい頃から何かを目標に「努力」する、という経験がないと、打たれ強い人間にはなれない。しかもその打たれ強い人間になるためには、「根性」が必要で、それは大人になってからでは身につかないと思う。

気合を入れてやりきった。息子たちよ、文武両道。どんな困難にも乗り越え頑張って成長してほしいが、とりあえずは何事も努力せよ!