毎年8月6日から15日は、カトリック教会の平和旬間にあたる。
広島の原爆の日に始まり、長崎の原爆の日を経て、太平洋戦争が終結した日までの10日間を、特別に平和について考え、祈る『時』としている。
特に、この夏は終戦70周年記念として、節目の年でもあるし、昨今の政治の動きによって、切に平和に関し考える人も多くなったのではないだろうか。その中で、高校生や大学生たちが、動き出すようになったことは、政治に関心があるということでよいと思う。なぜならは、自分たちの未来を真剣に考えているからだ。
ただ、考え方の違いによって、「平和」と「戦争」や「争い」に関する概念がこれほどまでに紙一重、表裏一体であるとは、考えたこともなかった。誰かの一言一言によって、ネットが炎上、騒ぎ出す。
国際情勢は刻々と変化しているが、冷静かつ客観的判断力が必要だ。真逆の意見の人がいると、相手の意見を理解、尊重せず感情的に叩く。これがそもそもの対立、争いの始まりでは無いだろうか。
自分と意見の対立するもの、あるいは共同生活にそぐわないものを村八分にする...意外に短で見聞きすることだろう。
違う意見も尊重するというルールは、小さい頃からやった方がいい。自分だけが正義で、別な意見の持ち主は認めようとしない。自分が都合のいいときだけ言論の自由を叫ぶ人ほど、言論の自由を冒涜している場合が多いのでは?意見をたたかわし、本質的なところでは、その問題を深く衝く姿勢が必要だと思う。そういった訓練が社会全般でできていないと幼稚性ばかりが目につく。
誰もが平和でいたい。争いの無い世の中を求めている。絵空事平和主義と言われるだろうが、武力に依存する前に、今こそ「平和」の原点を問い直す時ではないだろうか。
「広島をまどうてくれ(元通りにしてほしい)」 広島の被爆者の悲痛な叫びに耳を傾け、世界恒久平和の実現に向けて力を尽くしていきましょう。

戦争は人間のしわざです。戦争は人間の生命の破壊です。戦争は死です。
過去をふり返ることは将来に対する責任を担うことです。
主がすべての人間の心の中に、平和の知恵と正義の力と兄弟愛の喜びを注いでくださいますように。神よ、この世にあなたの終わりなき平和をお与えください。アーメン。(聖ヨハネ・パウロ2世)