沈黙のサイクリング ~ Ride of Silence | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。



自転車利用者が急増している中、道路整備も追いつかず、しかも交通ルールはあってないようなミラノ。自転車乗車中の交通事故はあとを絶たない。

自転車での交通事故の被害者を追悼するイベント、"Ride of Silence"(”沈黙のサイリング”とでも言おうか?)が2003年テキサス州のダラスから始まり、10年目の2013年には、7大陸の26カ国、372の都市が参加するようになったという。

毎年5月第3水曜日19時に行れるという。今回初めてミラノでも参加。2013年イタリアでは自転車事故による負傷者は257.421人。そして死亡者はなんと3.385人であったという。

19時にドウモの近くのPiazza Mercantiからスタートし、事故のあった場所<ghost bikez>(そこには白い自転車が置かれている)を数カ所まわり黙祷するという。



プロモーターの一人であるMarco Mazzei氏曰く、「旗や協会、音楽もなし。ただ、自転車に乗り、交通ルールを守り、車の往来により人生をへし折られたことを記憶にとどめている人がいればいい。」

また、皆白い服をきて参加するという。そして、思い思いの場所に花を添えるという。

piazza Mercanti → Corso Europa → Piazza Repubblica → Porta Nuova → Via Solari 
どれもこの3,4年に起きた大きな事故の場所であり、在ミラノの人であれば、記憶に新しいものもあるだろう。

私もVia Solariを自転車で通る時は、いつも怖いと思っていた場所だ。道の真ん中をトラムが走り、その両端には車が停車しているので、その脇を自転車が走るが、停車している車の運転席のドアが後方を確認せずに開いたら怖いな、とは常に思うのだ。ドアが開いた途端にそれを避けようとして後ろからきたトラムにはねられた少年は享年12歳。生きていれば長男と同い年だ。友人のお子さんは彼とオラトリオで一緒だったというし、彼のお姉さんは、長女の高校の同級生だったので心が痛くなった。

「Ride of Silenceは一つの儀式ではない」と再びMazzei氏。沈黙と白い自転車は無数の言葉よりもより多くのメッセージを世界に語るだろう。


http://milano.corriere.it/notizie/cronaca/15_maggio_19/pedalata-silenziosa-ricordare-ciclisti-investiti-uccisi-silent-ride-ghost-bike-f5afbcd2-fe36-11e4-bed4-3ff992d01df9.shtml

http://jitensha-anzen.com/problem/problem03.html