ミラノの市営住宅や空き家に勝手に侵入し,占拠されてしまう事件をよく耳にする。
特に夏の間,ポポラーレと呼ばれる公営住宅に住んでいるお年寄りは,どこかへ行きたくても,侵入者に占拠されまいかと思うと怖くてどこへも行けないという。たとえ,病気で入院が必要でも,やはりそれが心配だとも。
勝手にドアや窓を壊して侵入し,ここは自分の家だ!と主張し,家主や警察を蹴散らし,最終的に行政に認めさせてしまうというのだ。
ミラノの外環の空き家には家の無い人に家を与えろ!などと垂れ幕がかかり,そこで何をされているのかはわからない。どういった人間達がするのかはっきりはわからないが,移民や貧困層,金のないミュージシャン,若い芸術家などで住むところに困る人々らしい。廃墟をや空き家を見つけては,そこに住み込んでしまう無断居住者達で,建物自体に巨大壁画なども勝手に描いてしまうのだ。こういった人たちを「スクワット」と呼び,そうした行為を行う人々を「スクワッター」と呼ぶと今回初めて知った。
ところで、しょっちゅう書いているが,ミラノのサッカー競技場のあるサンシーロ地区は,貧富の差が激しく,ホテルマンのような住み込みのお手伝いさんがいるような所から,今にも壁が落ちそうなベランダや荒れ果てた中庭,いたずら描きの多い建物,そしてそこら中にゴミや家具が捨てられているようなところもが混ざり合っているのだ。
この地域で何かと問題が出るたびに,デモを起こす団体がcomitato abitanti S.Siroというサン•シーロ地域の住人の委員会だというが,不法占拠に賛同する住人がこの地域にどれだけいるのだろうか。あくまでも不法侵入は犯罪行為であり,どうも何か政治的主張をしているようだが,単に不況を盾にして,国のうまく言っていないところだけ,つついて足を引っ張っているようにしか思えない。
昨日,朝次男を学校に送って行った足で買い物へ行くのに,近道をしようと思い,ポポラーレ地域に入り込んだ。普段汚い通りだが,汚いなりに奇麗にされていた。地域では,火曜日は清掃車の入る日。すでにゴミを収集し,掃除されたのかな?と思った。珍しく人っ子一人いない。不気味だ...と思っていたら,6,7人の機動隊に遭遇。なっなに?あるアパートの前に待機している。中からは,男性の言語が聞き取れないのが怒鳴っている声,女性の叫ぶ声。事件???背筋がぞっとした。急いで,その通りを通り過ぎると,出口に機動隊の車が6台,消防車に救急車が待機しているではないか?「姉さん,事件です。」って姉さんって誰だ?!笑
数年前に,ミラノの軍の兵舎に手製の爆弾が投げ込まれるという事件があった。犯人のリビア人も我が家から一番近いバス停の裏に住んでいたし,二日前の夜にも,近所でエジプト人が不法侵入,占拠しようとしたところを近所の人に通報され,逮捕されるというニュースがあった。ここは危険地域なのか...
ニュースなどを調べてみたら,今年の2月にはもっと大きなポポラーレ地区での住人(といって上記団体であろう)と警察の衝突があった。ゴミ箱は投げるは,やることなすことめっちゃくちゃ。今回は大事にはならなかったようだし,今朝も警官は二人のみの張り込みのようだった。
しかし、昨日の画像をFBに載せてると,私の画像をシェアした友人のタイムラインが炎上状態だった。(もちろんイタリア人がコメントしているのだが)まず,この状況を本来この地域の住民が喜ぶはずが無いのだ。ポポラーレといっても市営と州営のアパートは似て非なるものらしく,空き家が多いから,家の無い人に与えろ!といっても,法的問題もいろいろあるというのも実状。多分これは,ある意味貧民層間での問題として,多くの人は知らぬ顔をしているようにも思えるが,近所で起こっているし,イタリア人をはじめ移民であってもまじめに働き生活している人にとって,精神的平和のない生活に思えてたまらない。
けれど無償占拠,居住権主張,慢性的な家賃滞納...これを犯罪と見るならば,ホームレスから住む場所を奪うのと同じ行為だ,という見方もあるようだ。都市と公共性。切っても切れない問題なのだろうか?
