後ろからトレッキング姿の女性二人がやってきて、あれよ、あれよといううちに抜かされた。歩くのが早い!それにしても、険しい谷が木々の間から見え隠れし、どこからともなく水の音がするのだ。回りを見回すと、イガイガが緑色の栗林、なぜか竹もあった。大きな穴があり、もぐらがいるの?!と次男が大騒ぎしていたっけ。山から水が流れ、小さな滝のようになっているところが数箇所。蛇口がついて飲み水になっているところもあった。スイスは寒いと思っていたが、日差しがまだ強く、長袖のブラウスで歩くと、少し汗ばんでくるほど。次男は頭から水をかぶっていた。
ハイキング・コースなのだろうが、普通の格好で出かけてしまったため、だらだら下る山道で腰は痛くなり、両足首は蚊に刺されまくり、途中で断念。京都旅行では気合が入っていたせいか歩きまわったが、同じようには行かず。夫たちを待っている間に、逆方面からイタリア語やドイツ語のグループが続々とやってきた。逆コースでハイキングしてきた人たちだろう。すぐに夫たちも戻ってきた。橋は、1578年建造のものだったそうだ。
来た道を戻り、駅の手前で私と次男とでサン・ゴッタルド教会を見学に行ってきた。1738年に出来たというこの教会。鐘楼は65m。遠くからもよく見えた。
私たちが教会に寄っていたために、ロカルノ行きも、ドモドッソラ行きの電車も行ってしまった。もう戻るか・・・・とはいえ、ドモドッソラ行きの電車は1時間後。駅にはだれもいない・・・と思っていたら、昼食をとったレストランの中に人がいたり、レストランが経営しているホテルからちらほら人影が。また、電車の時間が近づいてきたら、電車の時間に合わせて歩いていたのか?またはどこかで時間をつぶしていた人たちがぞくぞくとやってきた。結構こんなところを一日かけて歩く人たちもいるんだね 、と話した。
日本人だったら、日本から来るならば、スイスのもっと有名どころの山を歩くことだろう。また、名も知れない町のホテルに泊まるということないだろう。とにかく、美しいが静か。時間が止まってしまったような感覚があった。本来なら日本人にこそ、こういうところでぼーっとゆっくる時間をとるべきなのかもしれない。
ドモドッソラに戻る車中は、目をしっかり開け、目の前に広がる谷に吸い込まれていくような、木々の間に見え隠れする美しい川の流れに見入ってしまった。ドモドッソラに近づいてくると、石造りの建物や、山の上の集落が点々と見えてきた。
予想外の8月の週末。
例え人気がなくても時間が止まってしまうような空間を過ごす、というのも、普段慌しい生活をしているものにとっては、非常に心身ともにリッチな時だったといえよう。










