絡んだ糸 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

数年前に、イスタンブールに出かけてから、トルコが大好きになった。

特に、トルコの伝統手芸でもある「オヤ」のアクセサリーは非常に魅力的。細く、色鮮やかな糸から生み出される可憐なモチーフは見ているだけでも、楽しい。

オヤ糸は、ナイロン製・ポリエステル製の素材を使ったコーン型のものが一般的だが、トルコ人の友人いわく、ミラノのメルカートで売られているポリエステル製の糸は、トルコのものと同じだという。ただ、中国製。そして、なぜかメルカートだとバングラデッシュ人の扱うお店のみ販売されている。中華街にも糸を捜して、歩き回ったが、私が求めている号数よりも太いものばかりで、色の種類も少ない。

毎週バングラデッシュ人の屋台に通い、希望の色や号数を頼み込み、おまけに値切りまくれるようになった。とんでもない客か?!また、Itamaのトルコ人の生徒の家にも通い、オヤの作り方のコツも習得。

ポリエステルなので、火を通すと糸の先が固まるので、そのまま、天然石やビーズを通すことが出来る。ただ問題は、はじめに鎖編みを2-3メートル編んでいくうちに、糸が絡んでしまったら最後、それを解くまでに時間がかかってしまう。先日、濃いピンクの糸を安く買ったのはいいが、コーンが壊れており、糸の半分くらいががばっと外れてしまったから、さあ大変。それを巻きなおすのに、どれほど日数がかかってしまっただろうか?

以前、「結び目をほどくマリア様」について書いたことがありが、今回もいらいらしつつ、あせられない、怒らない・・・自分に言い聞かせながら、もつれた糸を解きほぐす願いを聞き入れてください・・・とマリア様を思い起こす。

「結び目をほどくマリア様」はパパ様が若い頃、ドイツでこの御絵に感動され、アルゼンチンを始め、世界に広め始めた・・・という話から、一気に、カードや祈りのカードとしてカトリック書店でも見かけるようになった。「結び目」とは、糸だけではなく、うまくいかない人間関係や心のもやもやなども同じことが言えるだろう。

絡んだ糸が解かれたときの、解放(開放)感、満足感、自由感はなんともいえない。根気、忍耐、そして信じるものがあれば、なんとかなるさ、と思えてくるのだ。

とはいえ、一難去ってまた一難。
今度は違う糸。あちゃ~。

復活節でもあり、そして聖母月でもあるこの5月に、私たちが犯した過ちや間違い、硬く結ばれてしまった糸や紐の結び目をマリア様が解いてくださるようお祈りしてみるのもいいかもしれない。生きる意味を深めるために・・・