ミラノの穴場 ~ 「岩窟の聖母」 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

『岩窟の聖母』(Vergine delle Rocce)は、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた油絵。 ほとんど同じ図柄の絵が2つあり、ひとつは現在パリのルーヴル美術館に、もうひとつはロンドンのナショナル・ギャラリーに展示されている。 

その複製画がミラノのオルソリーネ修道院にあるということで、普段は見られないものを、在ミラノ・北イタリア日本人会の企画「ミラノ再発見ツアー」にて見学してきた。 

『岩窟の聖母』は、ヘロデ大王の幼児虐殺を逃れてエジプトへの逃避行(「マタイによる福音書」2:13-15)の途中、岩窟に身を潜める聖母子と天使と洗礼者ヨハネの姿という。この天使は大天使ウリエルであるという主張もあるが、今朝のガイドさんは天使ミカエルといっていた。(実際、その複製画のあるオルソリーネ修道院は、以前はサン・ミケーレ・スル・ドッソ教会とよばれていたそうだ。) 

http://it.wikipedia.org/wiki/File:Milano,_Chiesa_di_San_Michele_sul_Dosso_01.jpg 
http://www.orsolinescuolalanzone.it/chi_siamo_edificio.php 

もともとフランシスコ会系の「聖母無原罪の御宿り信心会」から、ミラノにあるサン・フランチェスコ・ グランデ聖堂の祭壇画として1483年に発注された。ダ・ヴィンチは絵を完成させたが、代金の支払いを巡っトラブルとなり、仲裁をした当時ミラノを治めていたフランス王ルイ12世に、レオナルドが献上し、最終的に、それはルーヴル美術館に渡ったようだ。 

実際発注から1枚を描きあげ、その後10年後に、2枚目を描き始めているが、その2枚は似て非なるものがあった。1枚目がルーヴルに渡り、2枚目がナショナル・ギャラリーに渡っている。ルーヴル版は、聖母マリアを中心に右側にいる天使が左側にいる赤ちゃんを指差している。左側の赤ちゃんをイエス・キリストだという説と洗礼者ヨハネだという説があるようで、そうなると、神学的意味合いも変わってしまう。そして、洗礼者ヨハネの守護天使が大天使ウリエルであるそうだが、どれも確証はない。 

 


ちなみに、映画『ダ・ヴィンチ・コード』の中で、ルーヴル版について左側赤ちゃんをイエスとし、イエスが洗礼者ヨハネを拝んでいることが教会の怒りを買ったと、登場人物に解説させている。しかし、これはイエスの洗礼のポーズととれなくもない。いやいや、本当のところ、よくわからない。 

ちなみに、Orsolineにある『岩窟の聖母』は、Vergine del Boghettoと呼ばれているそうだ。Borghetto(ボルゲット)通りにあるOrsolineが所持する建物にこの絵が発見され、それが、どうもダ・ヴィンチの弟子のフランチェスコ・メルツィが描いたものらしい、と認識されたのが、この20年くらいの話だというから、驚き。 

 

 その後今はなき、S.Francesco Grandeの周りを散策。なんと先日、滞在許可の手数料払い戻し手続きのためにでかけてきた、警察の管理関係の事務所になっていた。 

この近辺は、聖アンブロージョ教会を始め、教会が多く、またミラノならではの石畳の細い通りが入り組んでおり、それでいて、街の喧騒を忘れる知る人ぞ知るゾーンである。ガイドさんは、その近所の由緒ある古典課高校の卒業生だったと判明。実は我が家の長女も通っている。何気にカトリック大学のお御堂の中を通りぬけた。なんかいいね~。 

その後、サン・マウリツィオ教会見学。 
ルイー二の壁画は圧巻!いやいや、ミラノのシスティーナ礼拝堂だわ。笑 たまたま、S.Maurizioのことを書いておられるブログを発見したが、私が観て、聞いたことよりも、こと細かく書かれていらっしゃるので、ご紹介しちゃいます。 
http://yumamilano.exblog.jp/14682919 

ルイー二といえば、ドウモ近辺のパンツェロットという揚げパン・揚げピッツァ屋さんが有名だけれど(爆)、ベルナルディー二・ルイー二はジョヴァンニ・アントニオ・ボルトラッフィオと共に、レオナルドと直接仕事したと言われている。彼の作品は、ルーヴルをはじめ、ボストン美術館、プラド美術館、ウフィッツィ美術館などなど世界中の有名な美術館に展示されるほど、有名な画家で、彼の壁画があるS.Maurizioの脇は、彼の名前がついた通り名ともなっている。 

いやいや、まだまだ知らない、知られていないミラノの穴場、再発見。とにあく、ダ・ヴィンチの複製画がまだまだミラノに埋もれているといわれているそう。どこでどのように眠っているのだろうか?隠された扉を開くってどきどきするわ。 



http://www.orsolinescuolalanzone.it/chi_siamo_opere.php