AMSA渋滞 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

年末年始、夫がアパートの地下にあるカンティーナ(物置)をやっと片付けてくれた。いらないスーツケースがいくつも出てきた。家の玄関にもすてなくてはならないごみが山のようにある。これを昨日AMSA(ミラノ清掃局)の大型ごみ収集所へ持っていった。 

仕事初めの日で、午後3時過ぎには帰宅。 
ごみは、一人で持ち込める数が決まっており、身分証明書を持参していないといけないので、家族総出でごみ捨て。 

案の定、環状線脇のAMSAは渋滞だった。しかも、その入り口にMedia World(大型電化製品店)があるので、そこに入る人までもが、並んでいる。 

誰かが、車に向かってきた。ロム(ジプシー)がなんと交通整理しているのだ。そして、「何かもらえるものはないか?」と。 

なかなか、前に進まず。私と子供達とで、降りて直接荷物を運ぶことに決定。降りた途端に、数人のロムが「洋服か?電化製品か?」と来るので、「Niente!!」(何もない!)とどなったが、スーツケースをとると「Portiamo noi(俺らがもってくよ!)」とやってきた。スーツケースを2つさっさと、収集所とは別の方向に持っていく若者あり。まーいいんですけど・・・と思っていたら、目の前で素早い動きがあった。餌をみつけた猫の喧嘩のようだ。こわれた自転車のかごの中に、数年前に壊れたデジカメがあったのだ!それを若いロム同士で取り合いになったわけ。 

「壊れて直らないんだけど・・・」と長女がいうと、「なんとか直して売るから問題ない!」と彼ら。確かにメルカートへ行くと、どこで拾ったの?というようなものが売られている。とても動くとは思えないもの。そして、古着の山。 

ミラノにも、パリのような古着屋がここ数年増えてきた。ヴィンテージものを扱うところや、子供専用の店などを扱うリサイクルショップなど。それとは別に、古着となると、各地域に黄色いコンテナボックスが設置されているが、AMSAと書かれているものもあれば、Caritasと書かれているものもある。カリタスとはいわずと知れたカトリックの援助・福祉活動団体である。カリタス用のボックスに入った衣服は、母子家庭や老人、難民やエイズ患者に配布されるという。 

上記黄色のボックスの中に ロムが子供を入れて衣服を盗ませるという話をよく聞く。そして、中に落ちてしまい、外にでられなくなって死亡した事件もあった。 

上記メルカートでは、それ動くわけ?というようなふるい電化製品やら、つい最近までだれかが履いていたと思われる、ゆびの形までついた汚れたスニーカーなどもそのまま山になって出ているのだ。あきらかに、ゴミ箱からあさってきたものだろう。 

話はそれたが、4つあったスーツケースは2つさっさと持ち去られたが、あと2つと、曲がった自転車のかごが置き去りにされた。「ちょっとー、自分達で要るっていったんだから、責任持っていってよ!」というと、あわてて「Si, Si、シニョーラ。」といって嬉しそうに、壊れたデジカメを眺めている。買って1年くらいで壊れてしまったので、綺麗なのだ。 

捨てるものは、彼らが持っていってしまったとはいえ、収集所入り口脇を抜けない限り、そこから帰れない。車の中でうだうだ待っていると、暑くなったと言って、夫が上着を脱いで車のトランクに入れようと、一度車の外に出ると、再びロムたちがやってきて、お腹がすいているので1ユーロくれ・・・といってきたそうだ。彼らは、本当にしつこい。 

AMSAへ出かけるときは、ご注意ください。 

http://blog.livedoor.jp/s_sofia1317/archives/50165516.html