千里の道も・・・ | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

千里の道も一歩より 

遠い旅路も足元の一歩から始まる。すなわち遠大な事業も手近いことから始まる、という意味。「千里の行も足元に始まる」と同じ意味。 

今日、家の裏側のホームドクターのところへ行くため一人で外出した。 
救急病院でもらった指示書にはヘパリン(血栓を防ぐ注射)は18日間続けるように、と書かれていたのに、もらった処方箋にはヘパリン2箱、つまり12本だったので、残りの6本はどうしたものか、判断できなかったから。 

すると、単に6本追加!と書かれた処方箋をもらった。はじめにかかれたようにするのが大切だからと。そうですか・・・ 

それから薬局へ出かける。出たついでにスーパーまで行っちゃおうかな・・・と思ったけれど、一番近いCarrefourもはるか遠くに見える。だめだ・・・隣のパン屋さんで、フランスパンを購入、そして帰宅。 

家の中では、足はひきずりつつも杖なしで歩ける。が、外に出るときは、段差もあるので、やはり松葉杖2本が必要。思うように進めず。途中で友人から携帯電話が入った。「何か買い物ある~」かばん片手に、両脇松葉杖、片手に携帯電話・・・無理だわ・・・あとでかける、といって切った。 

はー、はー、はー、ゆっくり歩いていると、後ろから「あら~っいつも奇抜なあなた。これも(松葉杖をさして)最新ファッションかと思っちゃったわ~」と隣のアパートにすむおばあちゃん。おばあちゃんこそ、突飛なファッション、いわれたくありませ~ん。爆 

いやいやいや・・・たった、家の周り600m弱のところ、歩くだけでも大変だった。家の前には重度障害者のリハビリ施設がある。私を自動車椅子の人が追い越していく。彼らは雨の中も、やはり数百メートル離れた彼らの宿泊施設から通院しているのだ。 

日頃当たり前のようにできることが、足の指を骨折しただけで、途端に困難なハードルへと転じてしまった。たかだか足の指かと思いきや、直接関係なさそうなふくらはぎ、腰、腋の下などさまざまな箇所が痛む。家にいると感じなかったが、そとでつま先に感じる冷たい空気。思わず傷がうずいた・・・ 

病まなければ捧げ得ない祈りがある 
病まなければ信じ得ない奇跡がある 
病まなければ聞き得ないみ言葉がある 
病まなければ近づき得ない聖所がある 
病まなければ仰ぎ得ない聖顔がある 
おお、病まなければ 私は人間でさえもあり得ない 


これは、詩人で牧師であった河野進さんの詩であるが、病気をはっきりと、一つの恵みと言い切っている。きっとケガも同じことだろう。 

千里の道も一歩より・・・ 

一歩がかなりきつかった。 
第一歩、そして、一歩一歩・・・重ねていかないと。