松山修平展 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

在ミラノの画家・松山修平氏の個展・オープニングに出かけてきた。

 空手家でもある松山氏は長男の師匠でもあり、子供達の補習校の理事でもある。私がミラノに移ってきた11年前に、郊外の郵便局からどうやって帰ろうかな・・・・と思っていたときに、声を掛けてくださり、家まで送って下さった方。奥様共々非常に腰が低く、謙遜で尊敬する方々である。 


さて、今日から24日まで開催される個展の場所はイタリア最古の本屋 「Bocca」。http://www.libreriabocca.com/ 
http://www.youtube.com/watch?v=Wvnfnj6IjL0 
ドウモ広場からスカラ座に抜けるガレリアにあり、アート専門の本屋。 

松山氏の作品のテーマはいつも「Shin-on」。 
漢字で表記するなら“心音”であり、“信音”であり、また“慎音”でもあり、あるいは“真音”でもあるという、たくさんのニュアンスが込められているという。これは、観る人の気持ちやタイミングで、作品と同調するさまざまな瞬間があるからだと、マエストロ。毎回、心落ち着く作品を魅せてくださる。 

「shin-on」は、混合技法によるアートだというが、 合板の上に石膏でレリーフをつくり、岩彩やアクリルで色をのせ、さらにその上に幾重もの薄い紙を重ね、最後に水彩で仕上げるという方法だというが、最近では、ガラス上のShin-onもあるし、今回は、産業廃棄物を再利用して創ったというオブジェがあった。灯篭風でなにか和を感じ、そこにまた緑があるというのは、癒しそのもの。 この素材、松山氏によると、繊維を作るときの廃棄物と陶器<陶器となる土?!>を材料として作った物で、トラックがのっても壊れない固さがあり、たいへん水を吸収することもできるということ。穴もあるため、芝生のように植物を育てる事ができるので、屋上の床に敷き詰めて、環境を緑化できるという、地球環境の保護、そして天然資源の保全ということで、今後期待できる素材かもしれない。





ところで、オープニングでは、ケータリングなどの出張料理は一切利用せず、奥様の手の込んだ、和菓子やご飯もので持てなされるのが、松山式。今日も奥様の大福、ドラ焼きを堪能させていただいた。スプマンテを一杯頂き、失礼しようとしたが、次から次へと空手関係、在ミラノ邦人の知り合いに会い、ずうずうしくも、奥様に梅の焼酎を頂き、気付いたら1時間も粘っていた! 

とはいえ、皆、松山夫妻の人間性にほれ込んで、やってくる。それはそれは、すばらしいこと。こちらは、世界にある松山作品。 
http://www.shuheimatsuyama.com/category/shuhei-matsuyama-nel-mondo/ 
松山ワールドはレストランをはじめ、ブティック、マンションのエントランス、教会、病院の霊安室まで・・・癒しの世界に満たされている。 

帰りがけに、挨拶をして帰ろうとすると、そんな時でも我が家の長男のことを気にかけてくださる松山氏。「なんとか成長してほしいんですけどね・・・」と。「打てば響く、というタイプではないので、直球でお願いします。」というと、「う・・・ん、投げるとよけられちゃうんだよね・・・」もう、とほほ。「鞭でもって、びしばしやってください。」というと、「でも片手にカラメッラもっちゃうんだよね~」なんだそう。本当に心優しく、忍耐強い松山氏に感謝!いや押忍! 

http://homepage3.nifty.com/shin-on/sakusaku/1_1.htm 
http://www.shuheimatsuyama.com/en 

この後4月14日~30日までバチカン内の大学でも個展を開催されるとのことで、更なるご活躍を期待しております。