歯科恐怖症 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

もうなんだかんだ1年半ちかく、歯医者をたらいまわしされている。歯医者ジプシー?! 

一度経験した治療と対応の悪さでトラウマから抜けきれなくなった次男。それは、見るも涙、語るも涙・・・たらーっ(汗)。毎回希望を持って、新たな医師にのぞむが、次男は口を堅く閉ざし、または手で医師をはねのけ、私自身も毎回失望し、どっと落ち込む。 

歯石をとるだけでも、ほめて、ねばって、やっと。小児歯科といっても診察を投げる歯科さえいる。藁にもすがる思いで、大病院での笑気ガス治療に望んだが、だめ。あと1回だけ機会を与える・・・といわれているのが来週のアポイント。今、痛みがないのが救いなのだけれど、基本的に笑気では痛みは無くならないだろうし、リラックス出来る患者もいるようだが、本当の歯科恐怖症には笑気は効かないんじゃないかな。前回、隣に座っていた子供も、マスクをして治療中もずっと足をばたつかせていた。とにかく、精神面から克服、それには医師が彼の気持ちを汲んでくれて、お互いの信頼関係が築けないと、前に進めない。 

次回の笑気ガス治療には、疑問があり、御主人が小児科という友人に相談したら、すぐに友人つながりの歯科医、しかも近所の人を紹介してもらった。(実際には、奥さんとは知り合いで、長女もあちらのお子さんと同級生だった。) 

昨日初診。病院に付くまでは、ちゃんと診て貰うよ、といっている本人もいざ診察台にすわると豹変してしまう。口をあけず手で抵抗。あーまただ・・・思わず目をつぶってしまった。そこで大抵の医師は、むっとしたり、なんとなく態度が変わるので、余計に次男もブロックしてしまうのだが、昨日の先生はやさしく、話し続ける。2Way ポイントといってボタンで水やエアーがでる器具をもちだすと、「それは使わないでくれ」と次男。そうはいかない理由を説明し、じゃあ一緒にやってみる?と器具を触らせてくれるが、近くからはするな!とかもっと遠くから!などと注文ばかり。でも医師がニコニコ従ってからは、次男も手をおろし、唾液を吸うバキュームを入れられても、抵抗しなかった。大きな第一歩である。思わず涙ぐみ、Grazie! Grazie!!と先生の両手をつかみそうになる気持ちをぐっとこらえた。笑 

とはいえ、放っておかれた虫歯は手の施しようがなく(まだ乳歯でよかったが)4本抜歯することになった。・・・・がこれは今の心身状態では、全身麻酔しかないとの事。抜歯する一本は永久歯が生えてくるまで、数年かかるので、スペースをとっておく治療をしなくてはならないが、これは、今後なんとかメンタル面も考慮しながら問題なくやっていけると約束してくださった。 

とりあえずは、抜歯にむけて、麻酔の専門家も呼ばなくてはならないので、先に血液検査と心電図をとることになった。あとからその検査リストと見積もりを出すので取りに来てくださいといわれ、後から再び歯科医へ。何かと近所で済ませられるというのは利点の一つ。

見積もりをみて目が飛び出そうになった!(バッグを40個は作ってうらないとな・・・たらーっ(汗))が、もう既に5人目の歯医者。公立病院の無料で施す治療は時間がかかるし、すでに医師のやるき、信念のなさに嫌気がさした。問題のない患者ならともかく、精神面は克服しない限り前に進めない。夫もお金がかかっても次男が信頼をして、治療を受けられる医師との関係が大切、ということで納得。 

今朝一番にホームドクターのところへ行き、処方箋を書いてもらい、その足でまた近所の病院で心電図の検査予約。運よく、明日に予約がとれた。血液検査は朝、食事をせずに直接病院へ、という事。カルネヴァーレの休暇中でよかった。病院とはいえ、いちいち学校を早退、遅刻、欠席などそうそうさせていられない。今回は最後の最後、どうにか上手く行きますように。 

ところで、大人の歯科恐怖症は皆、子供の頃の歯科医恐怖体験によるトラウマによるものだという。本当に重症な歯科恐怖症患者は歯医者に行くくらいなら死を選ぶというくらい深刻なもの。虫歯が原因で総入れ歯になったり、髄膜炎を起こしそうでも、尚歯医者に行くことを拒む人さえいるというから、驚き。 

やはり友人にも注射恐怖症の人がいて、具合が悪くても、注射(血液検査、点滴など)をするなら死んだ方がいい、という人がいる。検査をしないで薬をくださいってのも、症状によるだろうか、だんだん具合が悪くなってきたらそうもいってられないでしょう?最近私はその方にお会いしていないが、数年前あったときは、激やせし、顔色も悪かった。絶対どこも悪くないはずがないと思うのだけれど、話していても話にならず、どうも自虐的。 

うちの子達は母乳をかなり長くだらだら続けていたのと、体質のせいか虫歯になりやすく、長男の乳幼児期にも非常に苦労しているので、ミラノの歯科医事情、ちょっとは詳しくなりましたよ~。 

こちらは治療器具名 
http://www.denchan.jp/qa_new/isha_kigu.htm#3外部リンク