今が旬 ~ りんご・ゴールデン・デリシャス | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

♪リンゴの花びらが ~と歌うのは、母の年代。 
私は、♪真っ赤なりんごをほおばる~のキャンディーズ。75年のヒット曲。 

それにしても、りんごの種類ってこんなにあるんですね。 

普通、りんごの旬は10-11月頃。けれど、日本のフジの種を持ってきて育てたと思われるFujiやゴールデン・デリシャスはまだまだ店頭に並ぶ。

クリスマス前のイタリア人の女友達とのドルチェの持ち寄り会で、毎年アップルパイをもってくる友人がいるが、甘さ控えめ、パイ生地もパリパリしており、あれだったら、何個でもいける!というくらい絶品。レシピを教えてもらったら、ゴールデン・デリシャスを使っているという。母のアップル・パイは紅玉を使用し、レモン汁やシナモンをたっぷりいれていた。けれど、友人のアップルパイは、ゴールデン・デリシャスと少量の砂糖と白ワイン、ラム、水で煮るだけなのだという。今年に入り3回作ったが、ワインが切れていたり、ラムが切れていたり、毎回代わりのものを入れてしまい、微妙に味が気に入らず。前回レシピどおりの味は絶品だった!今回は倍の量で作ろうとチャレンジ。  

 10個のゴールデン・デリシャスを煮込んでみた。

 煮込むこと、数十分。水分が思い切り出てきたが、あっという間に半量に。パイにするか、ヨーグルトに入れるか、悩む。シナモンと一緒にりんごパンにしてもいいかも・・・ 

黄金のりんごはイタリア語になると、「ポモドーロ」でトマト。フランスでは「ポム・ド・テール(大地のリンゴ)」はじゃがいものこと。ヨーロッパでのりんごによせる思いというのは、大きいのだろうか?アダムとイブでは『原罪』の象徴であり、古代ギリシャでは『不和』の象徴であったともいう。 

http://homepage2.nifty.com/k-sekirei/otaru/apple_01.html 

島崎藤村 『初恋』 

まだあげ初めし前髪の 
林檎のもとに見えしとき 
前にさしたる花櫛の 
花ある君と思ひけり 

やさしく白き手をのべて 
林檎をわれにあたえしは 
薄紅の秋の実に 
人こひ初めしはじめなり 

わがこゝろなきためいきの 
その髪の毛にかゝるとき 
たのしき恋の盃を 
君が情けに酌みしかな 

林檎畠の樹の下に 
おのづからなる細道は 
誰が踏みそめしかたみとぞ 
問ひたまふこそこいしけれ 

<現代訳> 

まだそめあげたばかりの前髪が 
林檎の木の下に見えたとき 
前にさしている花櫛の 
花のような人だと思ったことでした 
白いやさしい手をのばして 
りんごを私にくれたとき 
薄紅の秋の実に 
人を恋した初めてのことでした 
なにげなくでた私のため息が 
その髪の毛にかかるとき 
恋のすばらしさを 
君のおかげで知ることができました 
林檎畠の木の下に 
自然とできた細道は 
誰が踏んでできたのでしょうと 
お聞きになる君が愛しいです 

初恋は甘酸っぱいりんごの味ということか・・・あー遠い昔を思い出す・・・あっかんべー