蟻とキリギリス | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

キリギリスは怠け者で、夏の間、蟻が冬に向けて蓄えをため込むのをよそに、歌を歌って過ごす。寒い季節が訪れると、キリギリスは蟻に食料を分けてほしいと乞う。蟻はそれを拒み、キリギリスは飢える・・・(日本版は食べるものを与えるという結末。)
な~んか、家の子達をみていると、どうも、君たちはキリギリスか?!と思えてしまう。

しかし、親として、最終的に困るのは君たちだ!勝手にしなさい!と放っておくべきか、それとも、苦しいとき、サボったのは自分たちでしょう・・・といいつつも助けるべきなのか(なんだかんだいって日本的?!)悩んでしまう。

ちなみに、イソップの元々の原作では、「セミとアリ」だったそう。ギリシャにはセミがいるけれど、アルプスより北側の国々ではいないので、キリギリスに変えられたという話。

いずれにしても、人生はイソップ童話よりも複雑である。今、蟻は日本人であり、一方のキリギリスはイタリア人か?!(でもなんだかんだいっても、イタリア人も自営は良く働くし、たらたらしている人でも、最終的には帳尻を合わせるのが得意。)蟻はキリギリスが欲しがるような魅力的なモノを作る。そして、キリギリスは蟻に、見返りに何か欲しくないか尋ねるんだな。笑

でも働きすぎて過労死してしまったら、元も子もない。本当はキリギリスや蝉は、歌って人を楽しませていたとしたら?逆に、楽しむことも無く、人を楽しませることもなく、ただ仕事だけをしている蟻の生き方が、寂しく思えてしまう。

「働かざるもの食うべからず」とはいうけれど、どちらがいいんでしょうね・・・。ちなみに、蟻って、忙しそうにしているように見えるけれど、実は、育ち盛りの幼虫がたくさんいて、餌が取り込まれたときとか、巣が外敵に撹乱された場合などで、それ以外は、おたがいに寄り集まって、じっとしていることが多いらしい。どうやら蟻は働く必要がなければ働かないということか!

やっぱり、最終的には、自分で自覚してもらうしかないよね・・・とほほ。