林檎と葡萄の里を訪ねて | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

週末、トレンティーノ=アルト・アディジェ州ボルツァーノ自治県のコムーネの一つである、メラーノという町に出かけてきた。かつてオーストリアからイタリアに割譲された南チロルの町で、言語はもちろん、ドイツ語、街並みも人もオーストリアで、保養地ということで、メラーノ好きの日本人も多い。

さて、先週木曜日に日本出張より帰宅した夫。週末のどこか出かける?と聞かれたけれど、出張の疲れもあるだろうし、仕事もたまりにたまっているだろうと思っていたら、土曜日の朝、7時過ぎに会社に出かけ10時に、「今会社を出る。その後メラーノに出かけるから準備しておくように」と電話が入った。いつも、こう。いきなり決めて、いきなり出発・・・。普段だらしない子供たちも、こういう時は、すぐに旅行の準備が出来るから不思議だ~。

ということで、いざ出発。ミラノーメラーノ間約320キロ。本来なら3時間の旅も、高速道路の渋滞で5時間かかった。それにしても、どこもかしこも林檎畑。平地に林檎をつくり、斜面には葡萄を作っている。

途中、お気に入りのクランツェルのワイン畑に顔を出した。行きつけのエノテカの店員に、そこは大人も子供も楽しめる公園があると聞いていた。

白、ロゼ、そして赤のワインを試飲。とてもアロマのきいた女性が好きな味。おつまみは、フェンネルのクラッカー。しかもビスコットのよう。とてもイタリア的ではない。

ワインをオーダーし、箱詰めしてもらっている間に、敷地内の迷路に出かけた。アートと自然の調和。そこで出来ている果物は食べても良いと書かれてあった。まだ時期が早かったけれど、イチジク、プラム、びわ、桑の実・・・迷路の道は、葡萄の垣根でできている。ブドウ畑の歴史は、紀元前3000年といわれている。酒は「百薬の長」というように、ほどほどのお酒を嗜む人は全く飲まない人より長生きするという調査結果も出ているようで、健康効果はもちろん、肌にもよい。
http://www.labyrinth.bz/it/arte/arte-artisti.asp

さてさて、お目当てのホテル。町の中心地からは離れ、山の上のホテルを予約。スパ、エステ、料理はもちろん、大人も子供も楽しめるところであった。
部屋はもちろん、廊下やいたるところに林檎がおいてあり、食べるのは自由。エステでは林檎のパックというのもあった。「1日1個のリンゴで医者いらず 」。これまた、昔から耳にする言葉。1.コレステロールの低減、2.ガン発生の低減、3.血圧の低減・・・ついでに、丸かじりしちゃいましょう。丸かじりは、あごを発達丈夫にさせ、脳の老化を防ぐ効果あり。リンゴには赤ワイン同様ポリフェノールを多く含んでいるので、いいことばかりなのでR。

翌日は、ホテル近所の植物園を散策。 http://www.plantitscherhof.com/

南チロルとも呼ばれるこの一帯は、空気がさらっとしており、空も青く、見るものすべてが美しい。草と木と風とが一体した感じ。アスファルトが焼け付く都会の暑さから離れて、一時の風雅というか風流というか、とにかく「風」という透明感、冷涼感が心地よい。

吉田兼好の「徒然草」の中では、「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。暑きころわろき住居は、堪へがたき事なり。」などと言われている。今でこそ、エアコンがあるのが、当たり前の日本の住居だが、昔は、風の通り方、特に夏がすごしやすい家が大切といわれた。夏にとって「風」ほど恋しいものは本来なかったのではないか。

滞在中は、なんと楽しみにしていたストゥルーデルが何処も売り切れで食べられず。残念。帰路の車中はRadio Sudtirol. (http://www.xtutto.com/radio-online/austria/s%C3%BCdtirol-1.html)という、思わずヨーデルが聞こえてきそうな曲を聴いてミラノへ向った。

メラーノ近辺のinfo。
http://www.meranerland.com/en/