パンとサーカス | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

「パンとサーカス」という表現がある。ラテン語: panem et circensesは、詩人ユウェナリスが古代ローマ社会の世相を揶揄して詩篇中で使用した表現で、権力者から無償で与えられる「パン(=食糧)」と「サーカス(=娯楽、見世物)」によって、ローマ市民が政治的盲目に置かれていることを指摘した。

ところで、先日の日本の松本龍復興担当相暴言問題は、辞任すれば、それでいいのか?という疑問が残る。彼の言動、「オフレコ」「書いたらおしまい」も恐ろしいが、実際東北放送以外、あれを放送するつもりはなかったのだろうか?それって、取材・被取材の「イロハ」つまり「常識」なわけ?!

それをいうなら、なぜイタリアのベルルスコーニは辞任しない?辞めさせられない?不思議、不思議・・・

ベルちゃん率いるメディアは彼に不利なことは絶対、一切報道しない。
「言論の自由」って何?まさに「絵に描いた餅」。
もしかしたら、「原発」問題だって、同じ事。国に不利な事は報道しない。

パンとサーカスは、ローマ帝国に社会的堕落をもたらし、帝国ローマの没落の一因とされる。時代は繰り返される?!我々もかつてのローマになることがないよう、国家はどうあるべきか良識を持たなくてはいけない。そのためにはどうしたらいいのか?

国の上に立つ人間、経営者、そして各個人・・・すべての人間において、普遍的な判断基準があまりにもなさ過ぎるのでは?公平、公正、正義、努力、勇気、博愛、誠実というような、本来我々が一般的に持っているはずの倫理観、モラルに反するようなものでは、何をしてもうまくいくはずがない。人間としての道理に基づいた判断があれば、時間や空間を超えて、どのような状況においても受け入れられるのではないだろうか。それこそ、絵に描いた餅?!


「パンとサーカス」、「飴と鞭」。その果てには「鞭と貧困」となりませんように。