14歳からの哲学 ~ 考える | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

$ミラノの日常 第2弾
よく子育てでは、「魔の2歳」、「魔の4歳」などと聞くけれど、私にとっては、「魔の14歳」。長女思春期真っただ中。「積み木くずし」のような、子供がいじめにあって非行に走ったとか、そういう問題ではないし、もしかしたら、ごくごく普通のことなんだろうけれど、何をどういっていいのやら、心理面で「理解できない」ことばかり。 (私もこんなだったのだろうか。)

「思春期」は、その後に続く「青春期」を「思い始める」時期であると解釈されるそうだ。反抗は波があるが、多感期といおうか。もちろん、それは大切な時期でそれがなく成長する方がずっと恐ろしいのだが。

子供がいずれ14歳になったら、読ませたいと思って、数年前に「14歳からの哲学~考えるための教科書」(池田晶子著)を買っていた。

>人には14歳以後、一度は考えておかなければならないことがある!今の学校教育に欠けている、14、5歳からの「考える」ための教科書。
「言葉」「自分とは何か」「死」「心」「体」「他人」「家族」「社会」「規則」「理想と現実」「友情と愛情」「恋愛と性」「仕事と生活」「メディアと書物」「人生」など30のテーマを取り上げる。

読書感想文の定番,中高大学入試にも頻出の必読書。年代を超えて読み継がれる著者の代表作。・・・らしい。(「BOOK」データベースより)

自分もだいぶ前に読んでいたのだが、気づいたら、あらら、あと3カ月で長女15歳になっちゃうじゃない!ということで、「この本読んでみない?」と勧めてみた。

けれど、本をぱらぱらと見て、ぽんっとテーブルに本をおいた。「読まない」って言うんだろうな、と思いきや「ママ読んで!」という。なんで?と聞くと、漢字が多いから、という。難しい漢字に関してはふりがながついているものの、いくら日本人であっても、海外にいるとどうしても同年齢の日本人の子女よりも国語力はおとってしまう。

仕方なく、夕食後に1章ずつ一緒に読んで、内容を考えることにした。

「思う」ことと「考える」ことの違い。

不思議と思うことは、自分だけ不思議なのだろうか?それとも誰にとっても不思議なのだろうか?人生にとって最も大事なこと、誰にも正しい本当のことを知るために考える、それが「不思議」という感覚。「不思議」の扉は、いくつも、いくつも、宇宙の果てまで開いていくことができる。

・・・とここまで来るだけでややこしい。正しいということも、絶対的と相対的な見方もある。

う・・・ん、ややっこしいな、と思いつつ、娘が「面白そうだね。また明日も続けて!」といってここ数日続きだした。

考えることは大切。多分、思春期は、自分が何でもできると思いこんでしまうこともあるだろう。とにかく、考えて、そして悩んで、人間の無力さを実感し、そして何のために生きるのか・・・考えることを大いにしてほしいと思う。続く・・・

↓懐かしい画像↓
http://www.youtube.com/watch?v=uopVGKgd3n8&feature=related

*とにかく、中学生を相手にした書き方をしているので、非常に分かりやすい。プラトンだ、カントだ、というような難しい名前が出てこないのもいい。

万人もしくは人類に共通している「存在の謎」を考えて知りたいと思う人には、年齢関係なく非常によい本だと思う。 お勧めです。