テンション・マックス100% | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。



イタリアの小学校は親が送り迎えをするのが義務付けられている。

日本だったら、パジャマのまま、毎朝玄関先で「いってらっしゃ~い」とできるだろうが、こちらは朝から気合をいれて準備しないといけない。小学校は8時半始業。5分前に門があく。昨年まで長男は隣のアパートで小学校の先生をしている母親とその子供と歩いて登校していた。たまに私が送って行くこともあったが、一緒に行くのは校門まで。あとは自分で入って行く。が、ほとんどの親が、門の中に入り、下駄箱は無いものの、校舎入り口ギリギリまでついていって、抱き合ってバッチョの挨拶をして別れる親子がほとんど。

昨年から次男が地元の小1になったのだが、同時にフランス人学校に子供を通わせていたお隣さんも、転校して来た(小2と小4)。初めは一緒に歩いて出かけていた。徒歩だと10分、子供の足だとやはり15分は見ておきたい。8時10分、遅くとも15分には出ておきたい。が、お隣さんは家族揃ってマイペース。あちらの長男(高1)と我が家の子たちも、カテキズモ、ギター教室と一緒に通っていたが、迎えに行っても、準備ができておらず常に待たされる。一緒に行きたくないよ、といって段々一緒に行くことがなくなった。そういった既成事実があったので、一緒に登校しようといわれた時は、正直まいったな・・・と思っていたが、あちらは車もあるし、いざという時は、車でいくことになるのだろう。と高をくくっていたら、案の定10月末位からミラノは雨期に入り、それ以降は歩いて通うことはなくなった。

車でもできたら8時15分には出たいもの。初めのうちは玄関の呼び鈴を押して待っていたが、結局出てくるのは8時20分。まあそれでもなんとか間に合う。それが段々遅くなって8時22,23分が常になってきた。

はっきりいってもう限界。次男はまだ小1だし、教室は1年生なのに2階。(日本でいう3階)しかも重いザイノ(リュック)をしょい階段を登っていく姿は、親ばかのようだが、見ていて足元がおぼつかずちょっと危なっかしい。

そして車ででかけても、問題は車を止めるところがないということ。皆、車で子供たちを送ってきて、一気に学校の前に車を止めるもんだから、ちょっとした渋滞になる。しかも学校の裏には、以前通っていた私立の学校もあり、そこもひどい状態。学校の前に教会があり、その二つをつなぐ横断歩道に警察が出て、緑のおばさんのように交通整理にあたっている。毎朝、走って渡りながら、「ボンジョルノ、ボンジョルノ、ボンジョルノ・・・」と挨拶しながら、次男と隣の二人と、近所の子を、「ダイ・ダイ・ダイ(さあ、さあ、さあ・・・)」とひっぱっていく。そうすると、警察も「コッリ、コッリ、コッリ(走れ、走れ、走れ~)」と言ってくる。

たまにお隣さん、どうしちゃったの?と思うくらい早く(といっても8時15分はすぎているけれど)出てきちゃうと、逆に学校の前は駐車する場所がなし。逆に8時25分をすぎて、こちらもちょっとパニック状態で出ていくと、学校の前は子供を送り出した親たちが車に戻ってさーっと出ていくので、駐車することには問題なく、早くても遅くてもおんなじ・・・」と冗談はいうものの、結構胃が痛い。

子供たちを校舎入口まで送るか送らないかくらいのところで、いつもジリジリジリジリ・・・とチャイムが鳴る。本来はこのチャイムが鳴った時は、子供たちは教室に入っていないといけない。あ~本来ならこんなかけこみ登校なんてさせないのにな・・・と思ってしまう。笑

「今日も神様が見ていてくれるよ。一日頑張るんだよ~」といって次男を送り出す。は~っとため息。周りを見回すと、子供を送った親たちのジャスチャ―は皆同じ。子供たちを送り出すまでは、本当に戦争のよう。でも気付くと、ぎりぎり走ってくる親子はいつも同じ顔ぶれ。笑

我が家の場合、長女が家を出た後、長男が起きてきて、一人で準備してさっさと出て行く。そして次男を起こし・・・と時間差はあるものの、家の中はばったばた。まあお隣さんも似たりよったりなんだろうが、先日外で待っていると険悪なムードであちらの家族が出てきた。家を出る前に何かあったらしい。とにかく、兄弟がいれば、兄弟喧嘩は当たり前。でも毎朝車の中でやられると、こちらもたまらないのだが、その日も何か言い合いになっていた。いきなり母親が後ろを振り返り小2の息子を殴りかかったから驚いちゃった。朝から皆テンションマックス100%なのは、わかるけど、さすがに私は自分の子でも人前では叩かないよ!と思いつつ、狭い車の中で険悪ムード。

たまりましぇん。そんな隣もこの年度末で転勤でいなくなるらしい。秋からは自転車で行こうね、と次男と話している。とはいえ、私の自転車の後ろに乗せられるのは25キロまでの子供だから、時間の問題なのだけれど。

金曜日が来ると、ほっとする。今週は終わった~。

そうやって毎週一週間がバンバン過ぎていくのだ。1年が早いのもうなずける。