霧のミラノ 2011 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

$ミラノの日常 第2弾-Nebbia


『霧のロンドン』は有名だが、実はミラノにもこの時期、かなり霧がでる。しかも私が住む、サン・シーロ地区はプチ郊外。毎朝、シャッターを開けると、外は真っ白。8時半近く次男を小学校へ連れて行くが、それでも白い。

先日、日本からのお客さんとの会食で夜に郊外に出かけた。トウモロコシ畑のど真ん中にある某レストラン。昼間も夜もお客でいっぱい。しかもミラノからのお客ばかり。

チェントロから北へ向かうほど、霧は深くなり、レストランのある町に近づいた時は、もう雲の中を走っている感じだった。とはいえ、道路の片側は畑、片側は運河。実は非常に怖いところだった。

さて、ミラノは、チェントロへの車の乗り入れに対し環境規制(エコパス)が導入され早3年。本当に空気はきれいになっているのだろうか。

スモッグが原因の、呼吸器系疾患で病院に運ばれる人が 1日に約73人、そして年間140人の方が亡くなっているのそうだ。(2010年の記録)

ミラノには、「アンチ・スモッグ親の会」というのが、あり、このサン・シーロ地域にも自転車にのってデモにでるママ友・パパ友は多い。秋口にも政府に対する書類に署名したことがある。

ナポリ出身の友達は、「ミラノはナポリの空気よりはまだまし。ナポリは臭くて、息もできないわ!」といっていた。あそこはあそこで、ゴミ問題がありますからね・・・。

ミラノの方言で『霧も肺に入って楽しい・・・』という言い回しの歌がある。la nebbia che bellezza, va gio per i polmon...
http://www.youtube.com/watch?v=P4LjjICMt6w&feature=player_embedded (何が問題なのか、私のサイトでは動画を添付することができない)

ミラノは健康の町・・・霧は美しい。肺に入って楽しい・・・雪が降ったら、山へ行かなくてもスキーが出来る。その後雨が降ればころころ転び、パネットーネも一緒に混ざる ...笑

こちらは日本が誇る最古の文学、「万葉集」のひとつである。
『春の野に霧立ち渡り降る雪と 人の見るまで梅の花散る』
春の野に霧が立ち、あれは降る雪かと誰もが見間違えるほどに梅の花が散っている、という意味。万葉時代はまだ梅は白い花ばかりで紅梅は日本に入っていなかったらしい。

ミラノは春になると、ポプラの綿毛が飛んできて、ベランダは綿の絨毯。口にも入ってくる!
あ~ミラノには情緒がない・・・(笑)

*画像はミラノが誇るサン・シーロ競技場。朝の8時半。競技場の前にいても霧で何も見えない。