傷だらけのカステラ
彼女の白い腕に
いくつもの傷が つけられ始めた。
彼女の隣の席に座っていた友人が
「授業中に、死にたいって独り言を言うのよ」
そう教えてくれた。
気になる。
気になる。
彼女が、気になる。
夏の日に
クラブ活動で一緒に練習したあるとき。
フアフアと飛んできた虫を
私が、つぶしたその瞬間
彼女の目の中では
プチっと
音がしていた。
ガラスのように澄んだ透明な瞳。
壊れそうな光を浮かべて
私を、じっと見つめた彼女。
でも、何も言わなかった。
気になる
気になる。
彼女の美しすぎる視線が
とても、気になる。
休みがちになった彼女と
その日、たまたま二人きりになった。
「・・・その傷、どうしたの?」
思い切ってきいてみた。
「これ?」 彼女はクスっと笑って答えた。
「さあ?わからない。いつの間にか、ついてた」
気になる
気になる!
私は遂に、彼女に言った。
「 死んじゃ、だめだよ 」
彼女のきれいな瞳が大きく大きく見開かれた。
「どうして?」
え、えへへ・・・
なんとなくさ
笑ってごまかしながら
急いで、その場を離れてしまった。
彼女がそれからどうなったのか
それは今ではわからない。
だけど
同じような出来事に、またであったら
言うよ。 何回でも。
悔いを残したくは ないから。
夜の鍛錬
道場の予約が取れないということで
今日のなぎなたは、夜になった。
なんだか、目はショボショボだし
どっと、疲れた・・・。
先週、軽くぎっくり腰をやってしまったので
ソロソロと動いてみたんだけど
やっぱり、無意識に腰をかばってしまうのかな。
何度も、姿勢を直される。
防具をつけての初めての練習。
小手と、すねあてだけつけてみた。
動きづらいし、暑い~
でも、型だけじゃなくて、実戦も面白そう^^
激しく動いても、ハァハァいわない今なら
先輩には負けないような気がする。
「でもね」
「強い人って、動かないんですよ。
相手が動いたそのスキの一瞬で、打ち込むのです。
やたらに動いても、ダメですね」
武道って、深いのね。
紅いミリオネア
お金を引き出すたびに、ため息・・・
ホントはさ
お金って、引き出したら、数字が減っていくもんじゃないのかぃ?
赤いミリオネア(百万長者)。
引き出すたびに
数字が、増えていく (+_+)
迷える達人
今日はPTA会議。
午前中は、今月行われるお祭りの話し合い。
午後は、来年行われる周年行事の話し合い。
来年のことを、もう話し合うんだよね。
気の長いことだ。
ということは、それだけ拘束もされるってことだよね。
しかし、なぜに
学校の周年行事に
PTA役員や、PTAのお金が使われなくてはならんのだろう。
たまたまその年に、子供が在学しただけにすぎないのに。
かつてのPTA役員も、顧問として参加はする。
だけど、実際に動くのは、現役員。
学校の周年行事っていうのは
どういう意味があるんだろう。
誕生日のようにお祝いするのであれば
卒業生やかつての先生が発起人になって
実行委員会を立ち上げるのがスジっ てもんじゃなかろうか。
協力したくないというわけではない。
ただ、やって当たり前という
その態度が、好かないだけなのさ。
噂のキツネ
休憩が終わって店に戻ると
店長が珍しく興奮して言った。
「久々に大きいよ」
「?」
「俳優のNって知ってる?」
「ええ」
「今度結婚するんだって」
「はあ」
奥から先輩が出てきて言葉を継いだ。
「結婚式の引き出物、うちのお店を使いたいんだそうよ」
「え!それはすごい」
「でしょ?」
「さっき、式場のほうから電話があってね」
「持ち込みになるから、今度打ち合わせしたいって」
「ほぅほぅ」
芸能人の結婚式、規模も大きいし話題性もあるし
本当に久々に、大きな仕事だった。
「で、明日、奥様になる人がここに来るそうよ」
「え!」
「何がいいか、見に来るんだって」
「そうなんだ・・・」
「残念だったね」
そう、明日はお休みをとっていた。
「どんな感じ?」
前の日に、婚約者がきて
披露宴の引き出物の品定めをしているはずだった。
「ん~~~~・・・・・・。」
「?」
接客した先輩の表情が曇っている。
「イメージと違ったの?」
楚々とした大和撫子な感じだったけど、週刊誌では。
「あれはねぇ・・・・」
先輩は理解できない、と言う風に頭を振った。
「ホントにあの人と、結婚するの?って感じ」
「え?」
「なんというかね、・・品がない」
今ひとつ、具体的な感想じゃないんだけど
今までたくさんの人を接客してきた彼女が言うのだ。
あまり、感じの良くない人だったのは、確かなのだろう。
「ちょっとね、今回の結婚、あやしいかもよ」
先輩の予感は当たった。
結婚式の直前で、婚約が解消されたのだ。
「引き出物は、仮押さえだったから、まだ大丈夫だけどさ」
店長がまいったな、とつぶやく。「式場のほうは、キャンセル料とか、いろいろ大変だろうな」
なぜ、婚約解消になったのか、それは週刊誌を読んでも
今ひとつハッキリとはわからなかったのだが
先輩の話を聞いた感じでは
キツネの化けの皮がはがれた、というところなのかもしれない。
本人だけじゃなくて
夫になる予定の人と一緒に、ここに来てたら
私たちも、だまされてたことだろう。 たぶん、いや、きっと。
裸足の天使
「一緒に、ソラちゃんのとこに行こうよ」
朝、ゆっくり歩いてきたアカネちゃんが切り出した。
「ソラちゃんって、あの、、ソラちゃん?」
私が驚いて声を上げると、アカネちゃんはうなずいた。
「今日はね・・・・私がお迎えに行く順番なんだ」
ソラちゃんは、隣のクラスの女の子。
私は、たくさんのことは知らないんだけど
どうやら、学校に来なくて、みんな困ってるみたい。
アカネちゃんは、私の幼稚園のころからのお友達で
小学校に入って、クラスが違っても、ずっと一緒に登校してきた。
隣のクラスの子のお迎えなんて、いやだろうなって
気にしてたのかな、アカネちゃん。
「いいよ。行こう」
私がうなずくと、アカネちゃんは、ほっと安心したように微笑んだ。
隣のクラスの子は、順番に、毎朝ソラちゃんをお迎えに行くことになってるんだ。
ソラちゃんって、名前は聞くんだけど、どんな子なんだろう
私は、ちょっと興味津々。
「ごめんくださーい」
「おはようございまーす」
ソラちゃんのお家は、長屋の一角にあって
ガラスの引き戸をガタガタいわせて、私たちは声を張り上げた。
「ソラちゃーん、学校に行こう」
「はぁーい」
奥のお部屋から、返事がした。
どうやら、おばあちゃんの声のようだった。
ソラちゃんをせきたてているような小さな話し声がして
でも、誰も玄関には出てこない。
私はお家の外でプラプラ待つことにした。
しばらくしてから、ソラちゃんのおばあちゃんがやってきて
アカネちゃんに、頭を下げていた。
ガラス戸を、静かに閉めて、アカネちゃんが外に出てきた。
「ソラちゃんは?」
「・・・今日は、学校に行きたくないって」
アカネちゃんは、ちょっと低めの声で、言った。
ソラちゃんがいつから、学校に来なくなったのか
それは私にはわかりっこないし
たぶん、アカネちゃんにもわからないことだった。
ソラちゃんが、なんとか学校に来るように
お家の人と、先生とで話し合って、
クラスの子が 毎日お迎えに行くことにしたらしい。
「ソラちゃん、、来るときもあるけど、来ないときのほうが多いよ」
アカネちゃんはそう言って、学校前の坂を上っていった。
学校に来ない理由は何なんだろうね。
それがわかれば、ソラちゃんも来るのかな。
「さあ?みんな、わかんないみたい。お家の人も、先生も」
ソラちゃんの気分次第なのかな。
運動会の日。
アカネちゃんが私のそばに来て、ささやいた。
「ソラちゃんが、来てるよ」
「え!」
どれどれ?と見回す私に、アカネちゃんが、そこそこ、とこっそり指差した。
ソラちゃんだ。
そういえば、ソラちゃんって、あの子だったんだ。
運動会に来るなんて・・・・
ダンスの練習はできてないはずだけど。
大丈夫なんだろうか。
だけど、ソラちゃんは楽しそうに席に座っている。
何も心配してないみたい。
私は、走るのが遅い。 だから、本当は運動会なんて出たくない。
ああ、苦手な徒競走だ。
列を作って待ってる間も、イヤでイヤでしょうがない。
私が走る前に、ソラちゃんが走るようだ。
どうなるんだろう、思わず背伸びして見てしまう。
「位置について。ヨーイ」
パン!と乾いたピストルの音とともに、スっと飛び出したのは
ソラちゃんだ。
速い!
そのままトップで走り抜けてしまった。
ソラちゃん、、、足が速いんだ。
運動会はすすみ、遂に最後のクラス対抗リレーが始まった。
1年生から6年生まで、縦割りのクラスでチームになる。
最後に走るアンカーは6年生で、ほかの学年の人よりも長い距離を走ることになっている。
隣のクラスのアンカーを見て、私は驚いた。
ソラちゃんが、ニコニコと笑いながら、アンカーの目印のたすきをかけている。
いつも学校に来ていないソラちゃんが、アンカーなんだ。
パン!
私の戸惑いなんか知ったこっちゃないってピストルが鳴り響き
1年生選手がスタートした。
バトンを渡すたびに順位が入れ替わって、観客席も、拍手と大声で盛り上がる。
ソラちゃんのチームの走者は、今のところ、3位だ。
すると、待っていたソラちゃんは、5年生が走り出すと同時に
履いていた運動靴をぬぎだした。
え!
ソラちゃんは、そのままコースに出て、向かってくる5年生を待つ。
バトンを受け取ると、ソラちゃんはものすごい速さで走り出した。
前に走っている人を、一人抜いた。
大歓声に押されるように加速するソラちゃん。
普通の徒競走より、長い距離だ。 疲れてきたもう一人を抜くソラちゃん。
3位から、トップになって
ソラちゃんは胸を張って、テープを切った。
裸足で走り抜けたソラちゃん。
走ることが、なによりも好きだった。
「わたしは、がっこうのなかで、うんどうかいがいちばんすきです。
それは、だれよりもはやくはしれるからです。
きょうそうでは、いつもいちいです。
うんどうかいは、やすんだことがありません。」
ソラちゃんは、今でもどこかで走っているんだろうか。
好きなことなら
きっと、できるよね。
カボチャ割り
北海道から カボチャと、じゃがいもが送られてきた。
お礼の電話をすると
「カボチャはね、丸ごとを切るのは危険だから」
「うん」
「高いところから落として、割って食べなさいね」
「・・・!」
確かに、丸ごとのカボチャにそのまま包丁を入れるのは
とっても危ない。
皮が硬いし、大きいので 途中で包丁が止まってしまうのだ。
だけど・・・高いところから落とすかぁ・・・・
で、結局どうしたかというと
今日の晩御飯は、 「ほうとう」 。
丸ごとカボチャをレンジでチンして少しやわらかくする。
それから包丁を入れると、難なく切れてしまう。
ほうとうを煮込んで、仕上げ近くにカボチャを入れる。
はじめから、カボチャを煮込んでいると
溶けてしまうときもある(カボチャは当たり外れが大きい)けど
レンジでチンしたカボチャなら、そんな失敗もしないですむ。
あまったカボチャで
明日は、ポタージュだぃ♪
そして・・・
小霞さん のところから、trackback。
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うーん。あたってるのかな。
私の口癖ってなんだろ?
「そだね」
「いろいろ~~」
とか、言うかも。
ちょっとだけよ
三連休限定スキンでございます。
どこへも行かずに
ブログをしている私もあなたも
ほんの少しだけ
楽しみましょう^^♪
【2005.10.11 追記】
見てくださった皆様、ありがとうございました
連休が明けましたので、スキンを変更します。
また、そのうちに☆