久しぶりとなる当コーナー。お待たせしました、今回は300万枚超えを果たした超人気アルバム「LOOSE」だ。1995年にリリースされた3枚のシングル曲をブチこみ、人気曲「BAD COMMUNICATION」の新アレンジ版をも加えた起死回生のアルバム。暗黒時代と揶揄された1994年から雰囲気をガラリと変えてTMN的エレポップも加味され、なおかつB’Z的ロック色も反映されており、まさにB’Zの多彩さを見せつけた渾身かつ会心のアルバムといっていいだろう。
曲解説については今回はいらないぐらい世間的によく聴かれたアルバムだろう。制作集団BUMを解体したB’Zは、稲葉自らがアレンジに加わるなどの変化がうかがえた。まず代表的なのが「ねがい」だ。稲葉が編曲に参加した初めてのシングル曲である。勿論、当曲も別バージョンとしてだが本アルバムに入っている。
本作品の目玉的ナンバーは、シングルを除けば「夢見が丘」と「消えない虹」であろう。
これは秀逸なナンバーだ。B’Z色の強いバラードであり、シングルA面や2ndBeatとして出してもいいぐらいな仕上がりだ。
その他の曲については、特に後半部分のナンバーを解説したい。
「敵がいなけりゃ」という曲がある。これはまだ明石昌夫氏が編曲にクレジットされているし、アレンジからして、過去作のストックをひっぱりだしてきたものである。「THE 7TH BLUES」期のアレンジだろう。この曲があるせいでアルバムのバランスが悪く感じたりするのは私だけだろうか。
「砂の花びら」。これは歌詞からして下ネタである(笑)。とはいえ、曲の作りは見事。私が当アルバムで一番好きなナンバーである。
「BIG」。これは1991年のアルバム「IN THE LIFE」収録の「あいかわらずなボクら」の系譜に連なる曲。なんでこんなの入れたの?と当時は思ったが、なかなか滑稽な曲で楽しい。
最後は「drive to MY WORLD」。もう忘れ去られた曲かも(笑)?シングルの2ndbeatに使ってりゃよかったのに…これをカラオケで歌うファンはまずいないかも。
何と実はこのアルバム、14曲あるんですね!
「drive to MY WORLD」が最後のナンバーと思われがちだが、最後の最後に14曲目としてシークレットトラックが隠されているのだ。ただのギターソロだが…(笑)
【総評】
さすが300万枚売り上げたモンスターアルバム。聴きごたえはよし、すべてがそれなりに楽しめる。B’Z色復活にふさわしい「ロックとポップの融合」を顕現したアルバムである。暗黒時代を脱した会心の一作であった。筆者的にはB’Zの暗黒時代は好きなんですが…(笑)。