今週発売された水嶋ヒロこと齊藤智裕の小説「KAGEROU」。ポプラ社の小説大賞受賞作である。処女作である本作品は予約だけで40万部以上であるという。今回、私も大型書店にて本作品を購入した。まず、読まないことには注目作に評価がつけられないからだ。
どうやら私が何軒か立ち寄った書店では売り切れ続出。やはり、人気俳優が大賞を受賞した作品としてマスコミに注目されていた話題のものだけに売れてしまっているようだ。
平成仮面ライダーの主役を務め、歌手の絢香の夫でもある水嶋ヒロ。人気若手俳優が書いただけに発売前から注目度が高かった。で、さっそくこの話題作を私は読んでみた。
ものの2時間ちょいでサクサク、スラスラ読めた。日ごろ小説を読まない方にはお奨めの作品だ。
テリー伊藤や小倉寛昭が絶賛しまくっていたらしいが、いい加減コメンテーターたちの書評はどうでもいい。プロの小説家あたりはどうか。厳しい評価をしている作家もいる。「命という重いものをテーマとしたわりには軽すぎる」などといった意見があった。
水嶋ヒロとしては映画化を考えた上での作品だろう。読んでてそんな気がした。それと役者として平成ライダーなどで培ったものも作品に取り入れられているのではないかと思う。
私の感想だが、この内容はズバリ、藤子不二雄の漫画・「笑うセールスマン」に酷似していて、何となくオリジナル性に欠けている気もした。最後のオチもそんな感じがしてならない。
ちょいと感動できるような場面は確かにあるものの、すごく心を打つような展開があるかといえば、それは感じられなかった。絢香がモデルであろう少女が登場し、命というテーマに関わって行くのだが、最後の場面が…。やっぱり「笑うセールスマン」のオチみたいで(笑)。
まあ、なんだかんだ述べたが、面白い作品であることに変わりはない。ぜひ読んでいただきたい作品だ。読み甲斐はあると思う。中学生や高校生などが読んでも難しくない内容なのできっと楽しめると思う。
ともあれ、映画化の場合、キャストはどうなんだろう。ちょいと興味が涌くのだが…。