パパから貰ったものは命とあとひとつだけ。カイちゃんの「フランケンシュタイン」に泣く | お蕎麦と昆布のいる暮らし

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昨日千秋楽を迎えた、七海ひろき・カイちゃん主演の「フランケンシュタイン-cry for the moon-」、土曜日に大阪城公園内COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで観劇。

窓に大阪城天守閣が写ってる。土曜日15時公演開始の頃はまだ晴れてた。

 

 

原作はほぼアウトラインしかとどめておらず、こうくるか、そうくるかの連続。

ミュージカルではないので、歌は一切なし!セリフと芝居でどんどん進行。


フランケンシュタイン博士の死者蘇りの理由が知的障害の弟の治療、というのは、、斬新だ。

 

カイちゃんは名前のない怪物で、右手にギミック付けてる。
翔ちゃん演じる盲目の少女アガサとの「月はどこに出ているの?」と問われ、その手の差す方向を触れて理解する演技や、

脳に障害のある(知的障碍者、ということらしい)フランケン博士の弟・ウィルとのであいに「なんだその手、かっこいいなーー!」と彼が無邪気に言い放つ様に生きてくる。
見た目で判断する一般者には気持ち悪く怖く写るのに、この二人の障碍者にはそう感じられないという温度差をだしてくる。

 

低い唸り声から始まり、音が声になり単語を発するようになり、理解が進み、、という怪物の成長をカイちゃんが丹念にえんじるから、アガサの家族に恐れられ一方的に暴力を振るわれるのが切なくかわいそうでたまらない。

「ごめんなさい、ごめんなさい」絞り出すこの単語はいったいどこでおぼえたのか。客席がそこから鼻をすする音であふれだす。

 

フランケンシュタイン博士の婚約者エリザベスちゃんがとんだ悪女で、不埒で金の亡者で自己中心的で、、でも可愛いんだ、これが!
すんごくスイートでキュートでダークなエリザベス。ぐいぐい舞台を引っ張って目が釘付け。

横山結衣ちゃん。あざとい小悪魔。
 


彩凪翔ちゃんのアガサの中に男役がしっかり出るシーンで息を呑んだ。すげー。

ジャスティーヌが気の毒であわれで理不尽で可哀想で…。

 

不倫と裏切りと誤解と。

名前を付けてよと叫ぶときや、死んだ博士に縋りつくときにカイちゃんの怪物から流れる涙がとてもきれいだった。

さいごには、村を脱出していたアガサ一家とカイちゃん怪物が再開して、幸せな幕切れになって心底ほっとして、うれし涙が客席を覆う。

いいお芝居、いい座組、いい劇場、心にしみる。

カイちゃんがかっこよくてせつなくて泣け、カーテンコールで出演俳優の少なさに改めて驚いた。


終演10分後にカイちゃんと翔ちゃんとフランケンシュタイン博士役の岐洲さんでアフタートークがはじまる。(いいチケットがとれてよかった。)

 

翔ちゃんのバリバリ関西弁に引きずられて関西弁が随所にとびたずカイちゃん。 司会として進行することに使命感燃やす翔ちゃん。 シリアスなお話のあとなのに、大爆笑。

 

「お気に入りの衣装は?」という質問に、カイちゃんは「パパがくれた帽子」
博士が怪物に遠くへ行けというときにくれる帽子。
名前も付けてくれなかったのに、唯一パパ(フランケンシュタイン博士)から貰うもの。それが帽子。

ラストシーンのグリーンランドの荒れ地でかぶっていて、それがまたカッコいいんだ!!

「帽子」を使うというアイディアはお稽古終盤に演出の錦織さんが思いついたのだそうで、それはそれは素敵なアイテム。

命以外何もくれなかったのに、そこにある帽子。なける。
 

トークショーでたくさん話題が出た中で「役名のない人に名前を付ける」というのがあって、とってもたのしかった。佐藤信長さんが機転を利かせてたくさんつけてくださったのをブログにあげておられるので引用。

 

 

 

 

配信を見損ねちゃったのでアーカイブ買おうかな。劇場でBDを予約してきたらよかった。

カイちゃん、最高。