配役発表でいちばん「ええっ」となりまして、同時に芸達者なもんちがどう見せてくるのかとてもとても楽しみでした。
お楽しみは2幕の7場でやってきます。
フランツはマデレーネを食べてしまい、その場面の写真をトートから見せつけられ、どこにも安らぎを見いだせず各地を放浪しているエリザベートが病院慰問をするシーン。
新人公演ではバッサリとカットされてしまうのですが。
もんちはとても個性的なキャラクターの持ち主で、コメディではその魅力をいかんなく発揮したボケ役な味を出してきます。そんな愛すべきもんち。
みりおんエリザベートは濃い赤い服を着て慰問に訪れます。車いすの患者から花束をもらったり。そこへ上手からもんち登場。歴代のウィンディッシュ嬢のように白いコルセット、ぼろぼろの扇。

「この人嘘をついてる!わたしがーーエリザベート!!」
もんちウィンディッシュ嬢は取り押さえられてしまいますがひるみません。だって自分はエリザベートなんだから。みりおんエリザベートはそっと寄って行ってもんちの頭を抱えて「もし代れるのなら代わってもいいのよ」と歌います。
もんちは、その大きな目を見開いて、ぎょろぎょろと見回します。
・・わたしを優しく抱きしめてくれるのは、だれ?この人はだれ?わたしにひざまずきなさいよ、でもこの人はだれ?
みりおんエリザベートは手に持っている黒い豪華な扇を、もんちウィンディッシュ嬢のぼろぼろの白い扇と交換します。
(扇の交換はお花さまのエリザベート以来だそうです。どうりで前回の花組の時はなかったよなあと思ったのでした)
豪華な黒い扇。とてもきれいなレースの扇、これこそエリザベートが持っているもの!エリザベートが持つにふさわしいもの!
もんちウィンディッシュ嬢は、ものすごい笑顔を満面に浮かべるのです!「余は満足じゃ!これこそわたしにふさわしい!」と言わんばかり。
ああ、もんちはこんな素敵なお芝居ができるんだ!この解釈はエリザベートの悲惨さ、みじめさ、悲しさ、やるせなさ、どこにも居場所がない悲劇の皇后を浮き彫りにしている!
扇の交換を再現したのは小柳先生だからでしょうか(憶測です)だとしたら、もうこれ大正解!大好きもんち!すごいぞもんち!
フィナーレもウィンディッシュ嬢の衣装で降りてくるのかなと期待していましたが、男役・星吹彩翔くんで軍服でした。ちょっと残念。
なんで新人公演では飛ばしちゃうのかなあ。尺が長くなるからかしら。それとも役者が足りないか。
次の観劇でも、もんちから目が離せないでしょう。宙組にもんちがいてくれて本当に良かった。
ブラボー!もんち!