プライシング
買手候補先にマーケティングをしていて、非常に気になること。
ネット会社系で、ファンドを持つ会社の担当者に多いのだが、およその業績、ティーザー、IMを示したミーティング中にプライスの話題の時に、
まー、EBIT・EBITDAマルチプル ●倍として、●●●億円ですね
純資産にEBIT5年分として●●●億円ですね
という、プライシング・・・
今日はとうとう
3-5倍として、そしてディスカウントしてだいだい60億ですね。とのたまわった。
なんで、100億程度と教えてやった直後に60億なんだ。
ディスカウントって?
非流動ディスカウントです!
あほ
3-5倍って?
うち通常そうなんです!
どあほ
分かったような分からないような カタカナ用語を連発して、このような会話になるのは、ネット系ファンドの生え抜きに多い気がする。
証券会社とかを経た人間には、ありえない言動が多すぎる。
この手の人たちと話すときは徹底して漢字用語。
今日は虫の居所が悪かったか、非常に腹立たしかった。
猫も杓子もコンサルティング会社から猫も杓子も投資銀行業務になりつつある今日この頃
そして、その波に見事乗っている自分・・・
「新聞を見て・・・」の困り者。
先月来、どうも多い電話 フローム お客さん。
「今朝新聞を見たんですけど、●●の案件、まだどうにかなりませんかねー。」
ならない!なるわけない!
と突き放したいのをこらえ、「まーもう遅いかもしれませんねー。でも、RMにちょっと確認して見ますか・・・」といなす。
どうも、この手の新聞を見てコールが コムスンのごたごた以来出てきた。それまではまずなかったのだが。
コムスン案件では、様々な買い手候補が立候補する様子が報道されていたためだろう。
しかも、売り手に付くというのが、鉄則。
買い手についても、時間の無駄が多い。
ごたごたしている案件を選んでなら、まだ我慢できるが、三洋関連を持ち出してきたって、GSや三井住友がきっちり抑えてるに決まってる。
つま先立ちでも取る。OMC 三井住友
「(買収先企業が)欲しいときは、つま先立ちしてでも取る。」
日経金融新聞で報道された三井住友銀行の会長の言葉。
ある意味非常に正しく、ある意味非常に怖いこの考え。
M&Aは他の取引とは大きくことなり、一つ一つの案件が「またとない出物」であることを勘案すると、多少無理をしてでも、とらなければならないときもある。特に、業界上位企業で、買収により自社の位置が上がるのであれば。
こういった思い切った経営判断が凶と出た場合、過去に高づかみしてしまった子会社・関連会社を手放そうにも手放せない企業は数多ある。
個人的には、買収側のアドバイザーとなるときに、重視するのはバリュエーション。割高でつかんでしまうと後々の業績に大きく響く。特に利回りを考えた場合。
本件は3月平均株価(終値)の30%のプレミアムとのことで、極端に割高ではないが、過払い金請求リスクを考慮すると多少怖いプレミアムではあるな。
もちろん、この辺りはきっちり考慮しているはずではあるが、部外者には分かりにくいもので・・・
吉と出るか凶と出るかの判断はもうしばらく待ちたい。