死亡日は何月何日?~相続放棄の注意点~ | 「儲け」のためにできること

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以前に確定申告のご依頼をいただいたAさんから
相続放棄ができるか?についてご相談がありました。

このたび、Aさんのお母さんが亡くなったそうですが、

Aさんとお母さんはもう20年以上も疎遠で、

亡くなったことも、ローン会社からの督促状がAさん宅に届いたことで知ったそうです。


Aさんは、お母さんの財産債務について、すべて放棄したいと望んでいます。
ローン会社からの知らせが届いたのは、お母さんが亡くなってから約3ヶ月後の、4月10日のことでした。

 

 

お母さんはいわゆる孤独死だったため正確な死亡日が特定できず、戸籍の死亡日欄には
『令和5年1月1日から10日の間』
と記載されています。


問題です。
①   死亡した日は「相続の開始の日」といって、様々な期限の始まりとなる重要な日ですが、

  お母さんの死亡日は何月何日でしょう?
②   そして、相続放棄は果たして間に合うのでしょうか?


①   相続の開始の日(死亡日)はいつか?
死亡日が特定できないとき、戸籍には一定の期間で記載されることがありますが、

このような場合は、戸籍に書かれた最終日が相続の開始の日になります。


Aさんのお母さんの戸籍には
令和5年1月1日から10日の間と書かれているので、

令和5年1月10日ということです。
(ちなみに、例えば 令和5年1月から3月の間 という記載のされ方もありますが、

 この場合は令和5年3月31日です。)



②   相続放棄は間に合うのか?
相続放棄は3ヶ月以内、と聞いたことがある方も多いと思いますが
正確には
相続の開始があったことを知った日から3ヶ月以内』です。

お母さんが亡くなったことをAさんが知ったのは、ローン会社から手紙が届いた4月10日ですので、

既に亡くなった日(1月10日)からは3ヶ月経過していますが、

この日(4月10日)から3ヶ月以内に放棄の手続きをとれば間に合うということになります。


相続放棄をする際は、亡くなったことを知った日を証明する書類を求められることもありますので、
ローン会社や役所から通知書や封筒をしっかり保管しておくこと、

警察からの電話などで知った場合はその通話履歴を保存しておくなど、

「相続の開始を知った日」を明確に残しておくことをお勧めします。

 

 

担当:丹下 優子