遺産分割を平等にすることを第一優先に考えた場合、
全ての財産を2分の1ずつにすればいいのでは?
と思われる方が多いですが、
不動産を共有で相続する場合は注意が必要です。
安易に共有名義にすると将来思わぬ不具合が生じる可能性がありますので、
共有名義にする場合は将来のことも踏まえて、よく考えて決める必要があります。
以下のケースで考えてみたいと思います。
被相続人:母
相 続 人:長女A、二女B の2人
財 産:自宅、預金
長女Aと二女Bは、平等に2分の1ずつ財産を分けることとし、
自宅は2分の1ずつの割合で共有名義、
預金も半分ずつ分けることにしました。
自宅は以前から長女Aが母と一緒に住んでおり、
今後も長女Aが住み続けます。
この場合で自宅を共有名義にすると、
以下のようなことが想定されます。
①Aは自宅の半分を妹であるBから借りていることになります。
②Bが売却したいと思っても、Aが同意しなければ売却することはできません。
③A又はBに相続が発生した場合、甥や姪と共有になったり、
さらに相続が繰り返されると、付き合いのない遠い親戚同士で共有となる可能性があります。
特に③については、共有者の関係が変わる為、
権利関係が複雑になること、共有の解消も簡単ではなく、
他者へ売却する場合は共有者全員の合意が必要になることなど、
手続きも複雑になってきます。
売却換金の為に一時的に共有となる場合以外、
なるべく不動産は単独で相続し、可能であれば預金で調整するなど、
兄弟間での共有相続はなるべく避けることをおすすめいたします。
担当:江原 智恵子