2015年春に施行が予定されている改正会社法は、グループ企業の子会社の役員人事にも影響を与えるようです。
詳細は法務省WEBサイトを参照
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00138.html
ここ最近の食品工場で発覚している異物の混入や偽装行為など、子会社が起こした事故や不祥事により、親会社は金銭的な損害だけでなく、ブランドイメージを損なう事による直接・間接的な損害も決して少なくはありません。
株式を公開している上場企業の場合、株価の下落や企業の価値、企業イメージを損なった不祥事や事故などが起きた場合、その原因となった企業の経営陣(役員)に対して損害賠償を請求する株主代表訴訟を起こされる可能性がありますが、親会社の株主は完全子会社の役員に対して役員の経営責任を問えないという事例もありました。
そこで、多重代表訴訟制度を新設して、一定の条件さえ満たせば、親会社の株主が完全子会社の役員を相手に株主代表訴訟を起こす事が可能になります。
こうなると、今まで以上に子会社の統治に関する役員の責任も明確になる事でしょう。
以前は、親会社の管理職が子会社の社外取締役に名を連ねる事もありましたが、今後は社外取締役や社外監査役の“社外”という要件に、親会社とその関係者に対しては社外扱いを認めなくするなど、より役員の経営責任を明確にする方向で法律が整備されれば、子会社がやった事と簡単に片付けられなくなるでしょう。
また、株主代表訴訟に備えて、賠償金や争訟費用等を補償する“役員賠償責任保険”の必要性も高まるでしょう。
上場企業では既に9割程度は加入しているといわれる役員賠償責任保険ですが、今後は親会社が加入する役員賠償責任保険に、子会社の役員も被保険者(補償の対象者)として含めるなど、企業側にも訴訟リスクに対する対策を見直す必要があります。
今や日本でも吸収合併や敵対的買収が珍しくなくなっていますから、グループ内企業統治に関しては、法整備してある方が、企業としても取組みやすいでしょう。
それでも、違法・不法行為によっては会社の存続さえ危ぶまれますから、損失の度合いによっては役員を訴えて損害賠償金をいくらか支払わせたところで、焼け石に水かもしれませんが、いくらか抑止力にはなるでしょう。
企業だけでなく、自分の地元で起きたらとても笑えないような、摩訶不思議でふざけた政務調査費の支出をしている政治家の抑止力になるような法律は出来ないものかなぁ・・・