少子高齢化による財政収支が年々厳しくなっている国民年金をはじめとする年金問題。
企業組合や業界団体が運営している厚生年金組合などは、財政事情から解散する団体も少なくありません。
そんな年金受給者の増加を抑制する対策として、先日、厚生労働大臣が言及したのが、現在の受給開始年齢をさらに引き上げて75歳にしてみては、という政策の検討です。
大臣が口にしているのですから、既に厚労省や財務省内では受給額の推移を試算している事でしょう。
団塊世代が年金受給者となるのに合わせて、現在は段階的に65歳に引き上げられましたが、70歳まで受給開始時期を遅らせる事で、受給額を増額するという選択ができるようになりました。
定年がない自営業者など、現役で仕事をしている世代にとっては、一定以上の収入があると年金の満額受給ができずに減額されてしまう事から、このような選択肢があるのは良い事だと個人的には思います。
定年の延長や、会社員の定年後に嘱託で雇用期間を延長する制度など、企業や団体もそんな年金制度に合わせた雇用条件の改正等をしていますが、さすがに70歳にするのはまだまだ難しい面もあります。
とはいえ、以前から機械設計やエンジニア、特殊加工などをするマイスターとも呼ばれる熟練工などは、定年がないという会社もがありますから、すべての企業にあてはまるわけではありません。
一方で、高齢者の雇用を守る事による若年層の雇用が増えない、経験者が育ちにくいという長い目で見た場合の影響を懸念する声もありますから、判断は難しいのですけど。
昭和10年代前半(12~13年)生まれ位までは、ギリギリ年金制度も踏ん張っていて、年金保険料の支払額に比べて、受給額の方が圧倒的に良かった(多かった)のです。
現在の団塊世代が一気に年金受給者になってくると、現役世代の支払う年金保険料だけではとても賄えませんから、税金投入と増税策にとよらざるを得ないのですけど。
それにしても、現役世代の20~50代にとっては、もはや、年金をまともに受給できるのは何歳?と心配する声と諦めの声があるのは当然です。
年金制度そのものが崩壊しているのに、保険料の支払い義務だけは負わされている感がある現状の年金制度が、果たして自分たちが受給する頃に、受給を見込める法改正や受給手段が今のところ確立できていないのですから、年金保険料を支払う事に抵抗がある人が多いのも仕方ない面があります。
日本の国会議員の平均年齢は50歳を超えていますし、投票率も投票数も多いのは60代以上のシルバー世代ですから、シルバー世代からの支持で選挙に当選してい議員が多い中、現行制度を大きく改革すると、選挙で勝てないと改正には抵抗するのでしょうかね。
例えば、65歳から75歳へ10歳受給年齢を上げると、どれくらい年金の受給年数が変わるのか、その推移がデータから見てとれます。
参考になるのが厚生労働省のWEBサイトの簡易生命表(平成21年のデータ)です
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life09/index.html
寿命はよく耳にすると思いますが、平均寿命というのは、生まれた子どもが何歳まで生きるかという平均値を表したもので、その年に生まれた0歳児の平均余命を寿命と呼んでいます。
つまり、指定したある年齢の人が、あと何年位平均して生きられるのかをデータで表しているのが平均余命です。
0歳児の場合は1年まで1か月単位で、それ以降は1年単位で統計を取っていますので、65歳と75歳の平均余命を比べると、受給年数が、そこに年金額を掛ければ、総受給額も予測できるのです。
男性の場合65歳の平均余命が18.88年、75歳だと11.63年です。
女性の場合65歳の平均余命が23.97年、75歳だと15.46年です。
分かり易くするため、国民年金の満額受給額(40年納付)に近い月額当たり6.5万円として計算してみると・・・
男性65歳だと平均余命まで226か月、総額1,469万円。
男性75歳だと平均余命まで139か月、総額903,5万円となり、差額が565,5万円、受給総額は約40%少なくなります。
女性65歳だと平均余命まで288か月、総額1,872万円。
女性75歳だと平均余命まで185か月、総額1,202.5万円となり、差額が669,5万円、受給総額は約35%少なくなります。
つまり、年金受給年齢を10歳引き上げると35~40%受給額が減るのですから、制度の延命策としての“そろばん勘定”としては、分かり易いのかも知れませんが。
だとすれば、3割4割受給額が減っても早く受給できる方が良い、と考える人も少なからずいるでしょうね。
健康保険の皆保険制度と同様、公平なように見えてそうでもない年金制度の今後はどうなるのでしょかね・・・。
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