10月も半ばを過ぎると、朝晩は肌寒さを感じる程涼しくなってきましたが、
安心して料理したものや生ものを長時間放置しておくと、食中毒の危険があるので要注意。
運動会の季節に食中毒の事故が増えるのも、この時期気温が20度程度まで下がることが原因のようです。感覚的には涼しくても、調理済みの食べ物や生ものなど大腸菌等の細菌が活性化するには十分です。
家庭で作った手作り弁当より、段ボール箱で届けられてからまとめて積んでお昼まで置いてある仕出し弁当の方が、保冷や保温状態が不十分であることが多いので食中毒も起こりやすいと思われます。
微量でも調理をする人の手や、まな板の洗浄不足から大腸菌等が増殖することもありますので、飲食店などでは石鹸で洗うだけでは不十分で、少なくともアルコール消毒は必須です。
ところが、意外とこれらが守られていなので、食中毒事故が起きてしまうのです。
しかも、調理で温めた料理が冷める前に、弁当箱に詰めたりラップで包まれたりした上に常温で長時間放置したら、バイ菌に“どうぞ繁殖してください!”とお願いしているようなものですから。
刺身や生魚をまな板の上に長時間置いておくのも、まな板に残っている細菌がくっつく危険性が高くなるので注意が必要です。
煮物など調理済みでも、鍋に入れたまま日中置いておくと、カビが発生することも珍しくありません。
また、仕出し弁当やおすし屋さん等で食中毒が起きる原因の一つに、使用している水の問題もあります。
大量に流水を使うために水道水では使用料が高いからと、水道料金がかからない(下水道料金はかかるところもあります)地下水を利用するところもあるのですが、滅菌処理が充分でないと、塩素処理されている水道水より何倍もの速さで細菌繁殖が起きるのです。
まな板・包丁・ふきん等に細菌が付いてしまうと、調理したもの触ったもの全てにこすり付けているようなものですから、防ぎようがありません。
食べ物が腐ったり傷んだりすれば、見た目や臭いで気が付くかもしれませんが、病原性大腸菌O157などでは気づかないこともあります。
お弁当などを提供する側も、生産・製造だけでなく販売だけのお店でも、万一の事故のために生産物賠償責任保険に加入することをおススメします。
被害者は、食品等を生産・製造したところだけでなく、販売者に損害賠償請求をすることが可能ですから、念のため。