セールス的には一番売れなかったと言われるアルバムですが、私はこのアルバムが一番好きです。
一つ一つの楽曲によってガラリと変わるマイケルの声、歌い方・・・
確実に、マイケルの声や表現力が最大限に活かされたアルバムですよね。
色々な挑戦や遊び心、沢山の才能溢れるアーティストとの共演も、このアルバムをより多様なものにしている要素です。
先輩を尊敬するだけでなく、若いアーティストの才能を認めて一緒に作品を作っていく柔軟性を持っているのも、マイケルの素晴らしいところだと思います。
何より、曲に込められているメッセージが・・・
優しくて、力強くて、切なくて・・・とにかく美しいです。
アルバム全体を見渡したときに感じたのは、愛そのものでした。
ほとんどの曲に、子供たちへの愛を感じました。
そしてこのアルバムの歌詞カードに記されたクレジット部分にも愛があふれています。
ここでマイケルは1ページ以上にわたり、エリザベス・テイラーやクリス・タッカー、ジョン・ブランカなどを始め、アルバム制作に関わった沢山の仕事仲間や友人への感謝を述べています。(歌詞カードのイラストを書いたユリ・ゲラーにも感謝が述べられていて、少し複雑な心境になったけど・・・)
スリラーの頃から長年にわたってサウンド・エンジニアを勤めており、マイケルの友人でもあるBruce Swedienとはクレジットの中でお互いに感謝の気持ちを述べ合っており、深い信頼関係が伺えます。
(この方は当時既に60代後半だったにも関わらず、Invincibleのかっこいいサウンドを作り上げたんだから凄い感性の持ち主ですよね!)
さて、マイケルが記した沢山の感謝の中でも、特に彼らしさがあらわれているものを下にのせてみました。
正直、これを読んだだけで本当に泣きそうになります・・・。
With Much Affection To Our Dear Friend Quincy Jones...
You have been a musical and a personal inspiration to us.
You have always said,"The Music Comes First!"
We thank you deeply for that.
Michael Jackson and Bruce Swedien
我々の親愛なる友人、クインシー・ジョーンズに親愛の情を込めて...
あなたには音楽的、そして個人的なインスピレーションを与えられました。
いつも言っていましたね「音楽が何より大切だ!」と。
我々はそれに深く感謝します。
Michael JacksonとBruce Swedienより
マイケルからのSPECIAL THANKSの一番最初には、当時15歳だった一人の少年の名前が書かれています。
彼は、他民族排他主義で知られるネオナチのメンバーに人種差別が原因で殺されました。
父親がガーナからの移民である黒人で、反人種差別活動に熱心な少年だったそうです。
THIS ALBUM IS DEDICATED TO BENJAMIN "BENNY" HERMANSEN
MAY WE CONTINUE TO REMEMBER NOT TO JUDGE MAN BY THE COLOR OF HIS SKIN,
BUT THE CONTENT OF HIS CHARACTER.BENJAMIN...
WE LOVE YOU...MAY YOU REST IN PEACE
このアルバムをベンジャミン "ベニー" ハーマンセンに捧げます
我々が肌の色ではなく、人柄によって人を判断することを忘れずにいられますように。ベンジャミン...
みんな君を愛してるよ...君の魂が安らかに眠れますように
THIS ALBUM ALSO DEDICATED TO MY GRANDMOTHER, NICHPLETTE SOTTILE...I LOVE YOU...
YOUR GRANDSON, MICHAEL
このアルバムはまた、祖母NICHPLETTE SOTTILEに捧げます...愛しています...
あなたの孫、マイケルより
Deepest Gratitude to my parents,JOSEPH and KATHERINE, for their love and support, inspiration and carring...I love you dearly...thank you for conceiving me.
Your son,Michael
両親、ジョセフとキャサリンの愛とサポート、インスピレーションと支えに心から感謝しています...
心から愛しています...僕を生んでくれてありがとう。
あなた方の息子、マイケルより
TO PRINCE AND PARIS...You give me the greatest joy I have ever known in my entire life.
I love you both from the bottom of my heart...now and forever...
プリンスとパリスへ...君たちは、人生の中で今まで知らなかった最も大きな喜びを僕に与えてくれます。
2人とも心の底から愛しているよ...今も、そしてこれからもずっと...
A special thanks to all the children of the world...of all nationalities...you are my greatest inspiration...without you,this album would never have been released.
I love you all...Michael Jackson
世界中の...すべての国の子供達に特に感謝します...君たちは僕の最高のインスピレーションです...君たちなしでは、このアルバムは決してリリースされなかったでしょう。
みんな愛しています...マイケル・ジャクソン
また最後の方に、
We miss you...Biggie
"君が居なくて寂しいよ...Biggie"
と記されていたので、気になって調べてみました。
"Biggie"はヒップホップMCのThe Notorious B.I.Gの愛称で、彼はHIstoryに収録されている"This Time Around"という曲にラップで参加していました。
マイケルとBiggieとのやりとりを詳しく書いておられる方のブログを貼らせて頂きます。
http://canikickit.jugem.jp/?eid=603
http://canikickit.jugem.jp/?day=20090906
Biggieは、1995年度のMTV(あの伝説的パフォーマンスの)において、マイケルとジャネットにトロフィーを渡していた人物なんですね!(大柄の方)
しかしBiggieは1997年に何者かに暗殺され、24歳の若さで亡くなってしまいます。
そして未だにその真相は明らかになっていません。
マイケルはその死を悼み、一曲目のUnbreakableの中でBiggieをフューチャリングしています。
AQUILLE O'NEALのアルバム"You Can't Stop the Reign"の同名曲にBiggieが客演参加した際の音源を、マイケルが自身のUnbreakableに貼り付け、亡きBiggieと再び共演を果たしているのです。
Unbreakableに使われているのは2:58~の部分です。
粋なはからいですね・・・。
マイケルはどんなに過去のことであっても、共演した人やお世話になった人のことは決して忘れなかったそうです。
相手は「自分のことなんか忘れているだろう」と思っていても、マイケルはしっかり名前を覚えてくれていて驚いたという話も聞いたことがあります。
そんなことを思いながらこのCDを聴いてみると、また感慨深いかもしれません。。。

ドーモアリガット



」と。

