Golden Globe 2024 と Osage Nation | Yes, You Can.

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今年の Golden Globe, the Best animated motion picture 最優秀アニメーションに宮崎駿さんの "The Boy and the Heron" が選ばれましたね!

とても嬉しいです! 

 

 

 

宮崎さんの作品、ぜ〜んぶ大好きです。

うちの旦那くんは "Prince Mononoke" もののけ姫がいちばん好きだそうです。私は一つに決められないよ〜。 

 

 

 

 

 

 

 

 

Golden Globes: Watch Lily Gladstone's powerful speech for historic win |  Mashable

(Mashable)

 

 

 

 

Lily Gladstone! 

映画 ”Killers of the Flower Moon" で Best Female Actor 最優秀女優賞を受賞しました。この映画には Leonard DiCaprio, Robert De Niro も出ています。この映画には、他にも Indigenous People 出ていますが、Lily が Native として初の Glden Glove ノミネート&受賞です。

 

 

 

 

Lily Gladstone は  Blackfeet Reservation で育ったNative Americanです。父方は Piegan Blackfeet tribe と Nez Perce tribe で 高祖父ひいひいおじいちゃんは Kainai nation の Chief 酋長 Red Crow です。そして、母方はヨーロッパ白人で、英国大統領だった William Ewart Gladstone の第一いとこが先祖に当たるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

We Are Coming Towards A Great Reckoning”: Lily Gladstone & Leonardo DiCaprio  On Their Searing Period Drama, 'Killers of the Flower Moon' | British Vogue

(British Vogue)

 

 

 

 

 

 

 

受賞のスピーチ、最初の一言は Blackfeet language

 

 

 

 

 

 

 

Osage nation での歓喜いっぱいの様子です。(↓)

この映画は Osage nation が舞台になっているんです。

 

 

 

 

 

(wikipedia)

 

 

 

 

 

 

"Killers of the Flower Moon"

 

 

 

1920年代、Osage Reservation でたくさんの人が次々と殺されるという事件がありました。その実話を元に "Killers of the Flower Moon" という本が書かれ、 Lily Gladstone が今回 Golden Globe で Best Female Actor を受賞した映画(タイトル同じ)も作成されました。

 

 

 

 

 

 

 

本 "Killers of the Flower Moon" の筆者 David Grann と Osage の方々のステージインタビュー(↓) (日本語字幕あるはずです)

 

 

 

 

 

 

 

Osage tribe は元々は Great Plain 北部のTribe です。

1808年から1825年にかけてヨーロッパからの侵略者が作った取り決めで、Missouri, Arkansas, Oklahoma の土地が奪われて、Southeast Kansas への移動となります。残虐な暴力・殺掠のために人口の95%が亡くなり、3000人程が生き残ります。1870年には、そのKansas の地も売却となり、Oklahoma にある Reservation へ移動を強いられます。ここが Osage Reservation です。

 

 

 

下の地図で、赤いところが元々彼らが生活していた地域で、黒く塗られた小さいところが Osage Reservation。

 

 

 

 

 

 

 

Osage Tribe History, Culture, and Facts - History Keen

(Indigenous history)

 

 

 

 

 

Exiled to Indian Country: Osage Nation – Gaylord News

(Gaylord News)

 

 

 

 

 

1894年、この Reservation の土地で石油が発掘されたために、この土地は突然、金銭的に大変豊かになります。”世界一のお金持ち” と言われるくらい裕福になり、New York Times は "Osage Tribe Richest People on Earth" とその裕福さを報道しています。

 

 

アメリカ政府は、1906年に the Osage Allotment という法律を制定しますが、Osage 側の Lawyer の尽力があって、Reservation 内で発掘された鉱石や石油、それによって得られるお金の権利は Osage tribe のメンバーの資産となることが決まります。現在の金額で$400 million (日本円で5兆8千億円くらいですか? 誰か確認願います?)以上のお金がこの Reservation のものとなりました。

 

 

 

 

 

 

 

Chauffeur driven automobile in the oil rich Osage Indian nation of  Oklahoma, 1920s [2100x1330] : r/HistoryPorn

 

 

 

 

 

Osage | Traditions, History, Oil, & Facts | Britannica

(Britanica)

 

 

 

 

The Osage in Historic Newspapers: Envy, Ridicule and Racism | Headlines &  Heroes

(Library of Congress)

 

 

 

しかし、白人侵略者は自分たちが発掘して掘り合ってたのだから、権利は自分たちだけのもののはずだ、Reservation の Native american などにはそもそも石油の権利やお金を渡したくない、腹立たしい、許せんと考えます。Osage たちが自分たちのように車や家や子供の留学などにお金を使うことを良しとしません。嫉み、嫉み、謗り、相手が Native American だから尚更です。

 

 

 

 

想像してみましょう。

白人が日本に次々とやって来ては「あっちに行け」「いや、こっちに行け」と移動させられます。やっと落ち着いたかと思ったら、我が家の裏庭にまた白人たちが続々とやって来て、庭のあちこち掘り返します。そのうち石油を掘り当てます。その人たち曰く「一応あんたの家だから Royality %はあげる」と、石油で儲かったお金の何割かがうちのものになります。うちではそれを家族みんなで平等に分けて、お家や新車を購入します。

ところがしばらく経って「あんたたちが掘り当てたわけじゃないのにムカつく」「日本人のくせに生意気に」とお金の使い方にぐだぐだ文句を言い始めます。

そんなお話。

 

 

 

 

 

そこで、白人侵略者たちは、1921年に Osage のお金を白人担当者が一切を管理する制度を作ります。もし本人に何かがあった場合、権利や資産全てはその管理担当者のものになる、というものです。そればかりでなく、Osage reservation 内には、言葉巧みに騙してお金を奪おうとする Lawyers, bankers, businessmen 弁護士、銀行、会社経営者・・・と、数々の人間が群がります。街の商人は Osage に売る商品はべらぼうに高い値をつけて売り付けます。

 

 

 

 

 

 

Reservation では、石油で得られたお金は生き残った3千人弱の Osage の間で均等に分けられましたが、この石油の権利や資産は、他人に売ったり買ったりすることは禁止されていて、唯一、相続による譲渡だけが許されていました。そのため、法的な権利を得るために、他の地域から Osage へ結婚のためにやって来る白人たちが後を経ちませんでした。大金持ちになれるのですから、好きとか嫌いとかどうでも良いわけです。見境ないです。Native American たちを卑下し残忍な行為殺戮を繰り返し、人としての扱いなどしない白人侵略者たちが、こぞって結婚するために Osage にやって来ます。Osage Reservation のある北オクラホマでの白人と Osage tribe との結婚の数は、驚異的に増えました。

 

 

 

 


しかし、そのうち Osage community 内で Tribe のメンバーが、一人一人行方不明になったり不思議な死を遂げます。1918年から始まったこの奇怪な殺人事件の数々は、その後10年間ほど続きます。

 

 

 

銃殺、毒殺、爆撃と続き、殺人事件であることは明白でしたが、警察が当たり前に捜査することはなく、すべてが事故や自殺、アルコール中毒、誤って毒を飲んだ不注意として処理されました。処刑スタイルの銃殺でも、不自然な保険金が掛けてあって明らかな殺人でも自殺と判断されるほどで、事件として調査しない、慌てて遺体処分する、死亡診断書には手を加えるということが行われ続けました。

 

 

 

 

Reign of Terror: The Forgotten Story of the Osage Tribe Murders |  HowStuffWorks

(History)

 

 

Osage community にとって、特に1921年から1926年の間は "Reign of Terror" と呼ばれる恐怖に満ちた暗黒の時で、約60人が殺害されました。記録としては60人ですが、公式発表に入っていない被害者も多く、100人以上というData もあります。その中には、爆発に巻き込まれ子供も含まれます。警察だけでなくLawyer, medical examiners, judges 弁護士や医者や裁判所などはすべて、お金を握らされるか脅迫されて Native を騙し落とし入れるように動きます。 Osage たちが相談したくても、助けになるどころではなく、その腐敗は Reservation の中だけでなく、州レベルにまで浸透していました。続く殺人を止めようと調査に乗り出した者にまで殺人をさせようという力が働きました。

 

 

 

 

 

被害者が増え続け Osage Community は恐怖と不安のどん底です。いつも身の危険を感じます。恐ろしくて外出できない、眠れない、引っ越して行く人たちも出てきます。そんな中、家族を5人次々殺された Molly Burkhart という女性が個人で調査員を雇い、さらに Washington D.C.へ出向いて大統領への調査直談判をします。これによって、やっと Federal 国の警察が乗り出します。(州のことは州で片付けるというのが通常)

これが、今でいうFBI の始まりだとも言われています。

 

 

 

 

FBIの調査で、"King of the Osage Hills" と偉ぶっていた  Willian K. Hale が殺人プロットを描いた主犯で、その甥っ子で Molly の夫 Ernest Burkhart,  John Ramsey その他共犯者合計6人が捕まります。いずれも石油で富を得た Osage tribe の女性と結婚して、その community に入り込み、財産を奪うために家族を殺していったわけです。殺人計画を細かく立て、策略を注意深く練り、たくさんの人間を操りながら、プロットを実行して行ったわけです。

 

 

 

 

 

Killers of the Flower Moon': Terror in the Osage Nation

 

 

 

裁判にかけられましたが、突然消える証言者、証言を翻す者、なかなか進まず機能しない裁判、一旦出た判決を取り下げてしまう判事など、Osage county 地区の腐敗の酷さに Federal prosecutor 検事たちも手を焼くのでした。さらに、地元 Osage では、白人を有罪にするはずがないという見方が幅を利かせていました。

 

 

 

 

 

1926年に、Ernest Burkhart が有罪を認めて殺人の罪で終身刑となります。Hale と Ramsey も殺人で終身刑を言い渡されるのですが、ひっくり返されます。その3年後にやっと、再び終身刑。判決の時に傍聴していた記者によると「一才の後悔や謝罪の感情なし」と報道しています。しかし、Burkhart は1937年に、Hale は1947年に釈放されます。

 

 

 

ええ?終身刑じゃろが?しかもこれだけの犯罪よ?

 

やはりバカな国、もちろんお気づきでしょうが、これが白人相手の殺人だったら、釈放はまずないですね。

 

 

 

 

 

Osage murders | Killers of the Flower Moon, Reign of Terror, FBI, Molly, &  in Oklahoma | Britannica

 

 

 

 

 

 

Lily が演じた女性の孫に当たる方が出ています

 

 

 

 

 

 

 

映画に対してNative の視点から

 

 
 
 
 
 
 

こちらは Youtube、Native の視点から(日本語変換できます)

若い世代!本人も filmmaker とか。

 

 
 
 
 
 
 

こういうお話はきついです。気持ちのいいものではありません。

読んでいても、書いていても、とても苦しいです。

そして、「あーまたか」という人もいます。

「自分の問題だけでもうギリギリ、他の人のことなんて」という人もいます。でも、そういう 「あー、またか」な考え方や態度、無関心は、事態を助長しているくらいの悪であり残酷であることに気づかなくてはいけません。

 

 

 

 

日本ではお正月から大震災に襲われて、それはもうたくさんの方が被害に遭っています。そういう報道は、とてつもなく胸が痛みます。「あーまたか」じゃないですね。そんなふうに思うなんて、とんでもないことです。

 

 

 

 

同じことが、世界中で起きている紛争、内乱、戦争・・・いろんなことについても言えるはずです。自分が知らない土地で起きているし〜、よく分からないから〜、という考えは、「あーまたか」と同じですね・・・と思います。