地域包括ケアシステム~医業類似業者?~ | ふれあいのブログ

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渡島半島のほぼ中央にあり、駒ケ岳、横津岳、大沼国定公園がある自然豊かな七飯町で、介護予防と東洋医学のコラボレーションを追求する新しいタイプの通所介護施設&治療院「ふれあい」の紹介です。

代表の新部です

 

鍼灸は医療なのか?どうでもいいことではあるが,敢えて考察してみたいと思う。

 

もちろん広義では医療ということになるが,コロナ禍のなか全くと言っていいくらい存在感が無いといえるだろう。それは,何故かというと,ワクチン不足が解消され,打ち手不足が声高に叫ばれている中,鍼灸師を打ち手にという話は聞いたことがありません。

 

薬剤師や歯科医師,看護師や臨床検査技師などのパラメディカルスタッフ,はたまた救急救命士の名前などが上がっているが,高須克弥Dr.以外は鍼灸師という名前を挙げる人はいません。

 

それもその筈,そもそも鍼灸師は医師の指導監督のもと,専門的に業務を行うパラメディカルスタッフではないからだ。

鍼灸師は昭和22年に身分法が成立して医業の一部となるが,その後,運用解釈が変容して「医業類似行為」となっている。医業とは医師のみが行えるもので,医師の業務そのものです。しかし,すべての業務を医師が行うと物理的に無理があるため,医師の監督指導のもと業務を行うパラメディカルスタッフというものが設けられています。

igyouruiji.pdf (ryojyutu.com)

 

一方,鍼灸師は医師の監督指導のもと業務を行うのではなく,自らの見立てで医師から独立して業務を行えますから,そもそもパラメディカルスタッフではないのです。

 

鍼灸は刺激により効果を出すもので,薬剤を注入しているわけではありません。ましてや,鍼灸師は医業類似行為者であり,医業を行う者ではないという国の認識であるため,声がかかるわけがありません。仮にかかったとしても,殆どの鍼灸師は怖気づくのではないでしょうか?

 

つまり,そもそも鍼灸師は,法的な建付けも国の認識も医業を行う「医療」というカテゴリーに分類されていないのです。その証拠に,医療従事者のワクチン先行接種にも名前が挙がってません。当然,介護従事者にも当たりません。

つまり,どんなに徒党を組んで運動をしたとしても,医師の監督指導を受けて行う業務ではないなら,身分が「医療」にはならないのです。もし,「医療」にするのであれば,医師の監督指導のもと業務を行い,身分法自体を変える必要があるということです。ただし,それを望む鍼灸師は,あまりいないでしょう。

医師の監督指導のもと業務を行う必要がはない為,頭皮に刺すだけで難病が治る,気の流れを整えれば良い,耳に刺せば痩せる,逆子が治る等,非科学的でエビデンスが無い治療が多く存在します。また,効果よりも集客を優先するあまり,効果そっちのけで低刺激のプラセボ治療ばかり行います。このように医療とは程遠いことばかりしていて,医療の仲間入りしようとするのでは笑われるだけでしょう。

地域包括ケアシステムにおける「医療」というのも医師や医師の監督指導のもと業務を行うパラメディカルスタッフが行うことを指しており,「医業類似行為」の鍼灸師やマッサージ師又は柔道整復師を指すものではないのです。よく考えてください,入退院に関する情報の共有や書式の統一などは鍼灸マッサージ治療院や整骨院に必要でしょうか?病院や介護事業者,何よりも患者さんはそれを必要としているでしょうか?

 

もし,身分法から改正しようとすると,一部の地域で行っても意味がなく,全国の鍼灸師・マッサージ師・柔道整復師,晴眼・障害が一致団結して一枚岩となり,国会議員を擁立して国政に送り込み,そこで法改正するしかありません。今までも,このような動きがあったことは承知していますが,それぞれの立場や諸事情により,まとまらないのが実状です。

 

要するに,形だけ名を連ねたとしても,医療・介護から見たら,場違いの”招かざる客”と言わざるを得ません。

 

参考↓

上田たかゆき活動報告 (exblog.jp)