企業の合理化策の一つとして「アイテムの削減」をあげる企業が多いのでないでしょうか。得意先や半谷ロスを心配する営業部門と効率生産を模索する生産部門の綱引きでもあります。お互いに「責任をどうとってくれるのか?」と投げ掛け合います。
そんな中山崎パンの平成23 年12 月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)決算短信に興味深い記述がありますので参考にしてください。
http://www.yamazakipan.co.jp/ir/ir-library/tanshin/pdf/2011/2011-2q.pdf
とりあえず、その一部を引用させていただきます。
(以下引用)
当社グループは、一部原材料の供給不能と計画停電の実施に対処するため、1,800 品あった製品の品種数を164 品に絞り込み、日常の生産販売体制の効率化をはかるとともに、東日本大震災の被災地や原発事故の避難所に対する緊急食糧の供給に当たってまいりました。東日本大震災発生以来、4 ヶ月余りとなりますが、当社グループは、6 月末現在でパン類1,364万個、おにぎり632 万個を供給いたしました。
(中略)
震災対応として実施した1,800 品から164 品への品種数の絞込みは、生産ラインの生産性向上とロスの削減をもたらし、配分・配送等物流業務の効率化をはかるとともに販売促進費を削減することができ、業績の確保につながりました。
(引用ここまで)
いかがでしょうか?
1,800 品から164 品への絞り込みです。
できるだけ多くのニーズに対応するためや競合との競争に勝ち残るためのアイテム戦略がとられますが、今回は震災の特殊条件もあり思い切った集中生産をせざるを9得なかったわけです。
業界上位企業と後続企業の戦略は異なるのでしょうが、アイテムの絞り込みはいろいろな「ムダ・ムラ・ムリ」をなくす方法の一つであることがわかるのでないでしょうか。
もう少し今後の同社の通常体制への過程にも注目したいところです。
今日のキーワード
”アイテム削減効果を考えてみる”