昨夕、麻生首相の温室効果ガス削減目標についての記者会見が映し出されました。
「05年比15%減」という発表に何となく違和感を持ちながら見ることになりました。
国際交渉の中での落としどころを考えているのでしょうか?多分値切られるであろうからあまり高い目標では損という勘定がされたのかもしれません。
省エネ技術が進んでいる我が国がさらに削減するのは率としては無理なものがあるというのも理由かもしれません。産業界の言い分も分からないでもありませんが、それで良しとすればトップランナーであり続けられないでしょう。アスリートはコンマ何秒を縮めるのに必死で取り組みます。少し高い目標を設定するからこその努力です。
国民に相応の負担とその覚悟も求めています。
太陽光パネルやエコカー、省エネ家電などの設置や買い換えです。この負担を求めています。確かに今までの省エネは産業部門が牽引してきた感はあります。家庭など民生部門は遅れていた、あるいはそう意識は高くなかったというのは事実です。
国民の覚悟も必要でしょう。
基本原則の中に「経済と環境の両立」ということが唱われています。
ここが一つのポイントでないでしょうか。車や家電は売れなければならないというのが前提です。日本の経済を引っ張るのがどうしても、そのあたりが中心ですのでそうならざるを得ないのでしょう。内需拡大はこのあたりからという今の施策からも当然の帰結かもしれません。
できるだけ「使わない」では経済の足を引っぱってしまうのでしょうか?
マイカーを使わないで公共交通機関にというのは進まないのでしょうか?たっぷり在庫を持つ大型冷蔵庫より回転率の高い小型の物ではいけないのでしょうか?狭い部屋に似合わない大型ディスプレイは必要でしょうか?家を建て替えなければ省エネはできないのでしょうか?
どうも持続可能な環境を作るためには既存の産業構造を早く切り替えるいい案をみんなで考えなければ難しいと思います。
「ゆで蛙でなく変化に敏感に反応してください」とセミナーなどで話させていただきます。日本にはそんな反応をしめしてもらいたいと思います。
誰に責任があるというのではなく、ひとり一人の覚悟が環境問題には必要でしょう。
今日のキーワード
”覚悟が求められる環境対応”