公益資本主義 | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 今日の朝日新聞"be on Saturday”トップの「フロントランナー」にデフタ・パートナーズ グループ会長の原丈人さんが紹介されています。


 原さんが数々の企業を育ててきたことなどは記事をご覧いただくとして、「公益資本主義」という「株主資本主義」に対峙する考え方には興味深いものがあります。


 先日のビッグ3の米国議会公聴会で経営者の法外とも思える報酬に批判が集まったのは記憶に新しいところです。同様に企業利益の株主還元が当然といういわゆる金融手法を駆使した利益獲得競争、今、破綻状況といえる米国型資本主義の弊害が全世界に影響を及ぼしています。


 原さんが言っている「公益資本主義」は「公益」と「資本主義」という、対面にあるものを融合させた考え方なのでしょう。


 記事には次のような注目すべき文章がありました。(・・・・部分は省略箇所)

 「企業は革新的な技術開発に腰を据えて取り組むため利益の一部を内部留保として蓄える。なのに『内部留保をはき出せ』と声高に迫る投資家が席巻する。・・・・内部留保がなければ、新事業を切り拓いていくことはできないのにそんな当たり前のことをも否定する。それでは新しい会社は生まれない」


 会社というものは株主のものでも社長だけのものでもない、従業員、仕入れ先、地域、お客様、そのほか多くの関わりを持った方々とともにあるものだということでしょう。これらの多くのステークホルダーではなくあらゆるものを証券化し、マネーゲームで発展してきたいわゆるアングロサクソン的株主資本主義の限界だったのでしょう。「会社は社会の公器である」という決して忘れてはならない原点、この考えを大切にしたものが「公益資本主義」でしょう。


 あくまでも企業活動は社会とともにあり、利益は再投資され還元されるという理論、ひとつの注目すべき考えでしょう。


 今日のキーワード

”企業活動のあり方をどこに?”