不良品を後工程に送らない | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 日本の製造業がつくり込んできたものに「品質」があります。その一つが「不良品を後工程に送らない」という考え方です。


 この考え方は「後工程はお客様」ということにも通じます。不良品が後工程に送られてしまうことによる後工程での無駄は非常に大きくなります。基本的にはすべて良品という信頼感からスタートしないと原料や材料すべての検査することから始めなければなりません。


 ここで出てくるのがエラーと犯罪という問題です。


 日本の製造業では基本的に「犯罪」ということは想定していませんでした。人は「エラー・失敗・ミス」はするものとはしています。だから不良品が発生する確率を抑えるための工程のつくりこみも行います。不良率ゼロへの挑戦を昔から今まで日ごと行い続きつつあります。


 今、新聞紙上を賑わしているメラミン問題、大元はミスやエラー問題でなく「犯罪」行為ということができます。タンパク質成分量の値があがるということから発した、ここで犯罪ということができます。危険性を知らなかったとしても未必の故意ともいえます。


 犯罪には「儲け」という悪魔の発想がからんできます。今の儲けが第一というものです。不良品であろうと何であろうと売り抜けておしまいというものです。あるいは分からなければいいというものも入ってきます。


 日本の製造業で培ってきた「不良品を後工程に送らない」とする「ものづくり」とは対極にあることが分かるでしょう。今をすり抜ける発想と今も未来も汗をかき続けいい商品をつくるという考えの違いなのです。


 日本でもコストや儲けというキーワードから「犯罪」的な事件も出てきましたが、基本的にはあくまでも「品質をつくりこむ」というのが大部分であることに変わりはありません。


今日のキーワード

”今こそ ものづくりの思想を徹底する”