共同配送 | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 「共同配送」のニュースがありました。


 化粧品業界の資生堂、カネボウ化粧品、コーセーの3社が九州地区で10月から開始するという内容です。 http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080919AT1D1808A18092008.html


 これによるコストメリットは5~15%、CO2の排出量は約30%くらいを見込んでいるそうです。


 化粧品業界の共同配送は1997年頃からプロジェクトが動いており北海道、沖縄、四国で実現しています。花王、マックスファクター、アルビオンなどもメンバーで今回は3社によるものです。


 共同配送は1社では荷物がまとまらず積載効率が悪くコスト的にも環境面でも問題があるところから始まります。従って、基本的に人口密度の低い地区、配送先ルートが長く細い荷物量の地域からというのがスタートとなります。又、業界によっては3位以下の荷主連合が行うというのもあります。


 今回の事例は「九州」という地域特性があります。


 九州の場合、全域対象となると拠点の位置決めがあります。基本的には他地区から商品が入ってくることを前提にすると福岡あるいはそれに隣接する佐賀の入り口あたりでしょう。そこから物流量の多い福岡へ、あとは、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島と放射線状に散らしていきます。1社では非効率な物流であることは間違いありません。それに加え、壱岐、対馬、五島列島など離島ルートも編成にやっかいさをともなう要因になります。


 産直宅配便とは異なり商品価格に物流費を合わせた価格でお客様の手元に渡るのではないのが小売店ルートの商品価格です。基本的には日本全国一律価格と言ってもいいでしょう。いくらこの物流ルートはコストがかかるといってもオンするわけにはいきません。


 メーカー、あるいは販売者はできるだけそれを圧縮する方法をとります。その一手法として各業界で共同配送が行われる所以です。さらには異業種間でも方面が合えば共同配送が行われます。物流の1便あたりの量を多くする、いわゆる「太くする」のが共同配送です。


今日のキーワード

”太いルートづくりでコストをおさえる”