社員のスタイル・リーマンニュースで | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 新聞休刊日に駆けめぐったリーマン・ブラザーズの破綻報道。いつもは新聞を読んでいる時間にテレビのニュースで情報を得ることになりました。


 公的資金投入、あるいは買収、注目されていた企業の急速な展開でした。世界的な全面株安も起こりました。今朝のニューヨークは反転しているようです。しかし、次はAIGがどうなるかという話も飛び交います。この不安定な状況、アメリカだけでなく世界に大きく影響を及ぼすことは間違いありません。このあたりは専門家の論を見ることにします。


 ここでは別の角度で見えたものを記してみます。


 ニュース画面の中でリーマンのビルからダンボールを抱えて次から次に出てくる人々が映っていました。その人たちが持ち出しているものが何なのかは分かりません。


 こんな推測もできます。


 アメリカでは社員が会社に対する忠誠心は高くありません。経営破綻を聴いたとたん、自分の荷物を持ち出して次に備えるということです。破綻した会社に幾ばくの未練も持たないのがアメリカ型であるという見方ができないでしょうか。


 日本では生涯で勤める会社は3社程度と言われます。米国ではその3倍、10社以上とされます。又、給与も多くが年俸制なのでしょう。であれば、条件のいいところへ移るのもためらいはありません。あるいは今の自分の能力を活かすところはどこかという尺度で会社を選ぶことになります。会社側も短期での能力発揮、結果を求めます。


 日本でも年功序列の問題点が言われて久しくなり、成果主義賃金も入ってきました。


 しかし、会社あっての社員、社員あっての会社といういい意味での経営スタイルは強く残っています。会社が破綻することを知ってもなかなか気持ちの切り替えはできないでしょう。すぐに次に備えるというのも見られません。


 このあたりのスタイルの違いに日本企業の強みを作るヒントがたくさんあるとも思えます。


 社員をじっくりと育てる、社員もこの会社の中でたっぷり能力を蓄え、それを発揮できればと考え育っていきます。決して日本型の経営スタイルは古いと言えないでしょう。


 企業ロイヤリティの高い社員が多いのを十二分に発揮する、それを活かすのが企業経営者の仕事でしょう。ただし、会社ぐるみで悪い儲け主義に走ることのないようにするのも経営者です。


今日のキーワード

”日本型経営を再認識する”