総合力を引き出す | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 「普通でも社長はできる 社員の総合力が支えに」という日経ビジネス2008.9.15号の記事があります。花王前会長の後藤卓也氏の文です。


 花王の主力であるトイレタリーではなく化学畑出身であることが同社の社長としては異色でした。社長就任直後のインタビューで「いったい何年もちますかねえ」と記者に冗談まじりに言われた時にもなりたくてなった訳じゃないし重圧には感じていなかったと述べられてぃます。


 ただ、自分一人だけで何でもやろうと考えないで、社員みんなの力を出す会社にしようということだけは心に誓っていたそうです。


 氏の講演を会長時に聴いたことがありますが、その言葉通り、現場のことを大切にし、よく知っていると感嘆したことを思いおこします。


 やはり、カリスマ社長と普通の社長、タイプそれぞれのやり方があります。


 同氏のやり方、全員の力を集める経営もうまくまとめれば大きな力になることが分かります。また、花王の業績推移の中にもその結果が出ています。ヒット商品は開発者がスポットを浴びるが、生産や物流、宣伝、営業などすべての力が集まらないとなしえないことであるというのが基本になっています。


 もう一つはフロッピーディスク工場を閉鎖した時のような5年先、10年先を見て撤退した、そんな決断をするのも経営者の仕事としています。


 普通の人間でも社員の力を集めれば社長は務まると述べています。みんなの力を集めること、これ自体、とても難しいことなのですが、あたりまえのようにさらりと述べられる普通の社長論でもあります。


今日のキーワード

”普通を極め経営する”