4月に米国産牛肉に牛海綿状脳症(BSE)の原因物質が蓄積しやすく、輸入を認めていない「特定危険部位」が混入しているのを吉野家の工場で発見されたのを覚えている方は多いと思います。
その原因についての米政府の調査結果が報告され、17日から日本側から職員を派遣し査察するとの報道があります。(asahicom参照)
http://www.asahi.com/food/news/TKY200808150373.html
混入した原因を読み替えれば、①日本向けではない肉の生産ラインで1個の外箱が損傷しているものがあった。(元々壊れていたのか製造工程の箱詰め段階で壊れたのかは記述されていないので不詳)
②検品担当者が外箱の損傷を発見した。
③中の肉を壊れていない箱に詰め替えた。
④詰め替えた箱には「日本向けのラベル」が貼ってあった。
⑤日本向けの箱に入っているから日本向けの出荷にまわった。
ここで読み取れることは、箱のラベルが肉の製造より前に作り置きされているのがわかります。とすると、箱詰め時に違ったラベルを持ってきて使うことも考えられます。人のやることですから。ストックしている箱が種別に保管され他の種類に混入する恐れはないでしょうか。作り置きとはそんな混在してしまう危険も含んでいます。記事の中では検品担当者が箱を取り間違えたことが原因のように読み取れます。検品担当者は箱などの表面チェック者なのでしょうか、それともすべてのチェックを行う人なのでしょうか。後者であれば仕向先などは特に気をつけるはずですが・・・。そもそもラベルの員数管理とはほど遠い要に感じられます。すなわち、製造個数に対して製造個数分のラベルが使用されるというのが作業段階では鉄則なのです。(さらにに言えば製造前にラベル確認し保存しておくための1枚と作業終了段階でもう一度確認するための1枚を発行し保存するものがありますのでN+2枚となります。)
さて、対策案です。
①日本向けには他の国とは違う白い箱を使う。
②箱に事前に「日本向け」というラベルを貼ることを禁止し品質保証担当者が1時間ごとに監査する。
米農務省はこれらの対策で改善は十分と結論づけています。農水省はこれを順守しているかどうかを査察するとのことです。
できることなら作業前点検、作業後点検、ラベル自体の員数管理、そしてもっとも大事な製造ラインのしっかりとした管理、そんなところを見てもらいたいものです。
人為ミスの防止は永遠のテーマなのです。
今日のキーワード
”これで十分という対策はないと考え、さらなる対策を考える”