青 | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

ロジスティクスや物流現場、日々報道されるニュースなどを直視したり斜に構えたりしてビジネスや社会生活のヒント、情報をちりばめます。

 JR西日本の広告。「ずっと、青い空と走ろう。」


 山陽新幹線の上に山と広がる青い空とぽっかり浮かんだ白い雲。


 青の中に白の抜き文字。


 思えば日本の復興、発展期に見た煤煙に包まれたどんよりとした空とフィルターの影のはっきりとしない大陽、今では懐かしくさえ思える煙を噴き上げて走る蒸気機関車、それを当たり前にさえ感じていたのでないでしょうか。


 発展と環境、その矛盾に気がついた時には途方もないエネルギーを消費する社会になっていました。もちろんCO2の排出量も大変な数字です。


 広告は最初のコピーに「暮らしの中を走る鉄道の歴史は、”環境との共生”の歴史です。これからも、安全で快適な乗りものとして、地球環境に走りを追求していきます。そして、社員一人ひとりが考え、行動することで、限りある資源を守って生きたいと思います。いつの日も空が青く、美しくあるために。」と記しています。


 鉄道は社会的交流を広げる移動手段として一度に多くの人やものを運べる規模のメリットで単位当たりの負荷を小さくするインフラとして全国に貼り巡らされました。徐々にスピードという社会的ニーズが増すにつれ急行、特急、超特急、そして新幹線の登場と単なる距離や社会の隔たりを埋めるツール以上のものになってきたようです。


 そんな中でモータリゼーションとの競争が起こり、クルマに負けた地域では撤退という選択になったところもあります。それが時代の流れだったのでしょう。


 広告の後段がこれからの主張です。


「減らす、再び利用する。JR西日本は3Rの先へ。」というコピーが入ります。

「Reduse(減らす)」「Reuse(再使用)」「Recycle(再資源化」というおなじみの単語が入り、さらに「+Refuse(不要なものをなくす)」「+Repair(なおして使う)」という新たなコンセプトを廃しています。つまり、車体はステンレスで塗料の使用量を少なくする、鉄橋や電柱も塗装の必用のない素材を使用、年月を経た車輌も廃棄ではなくさらに整備補強、改造による長寿命かをするというものです。


 次は企業体質の指針です。


 「社員一人ひとりが『あたりまえ』を『あたりまえ』に行う孝動エコ。」としています。そして「エコ通勤・エコ移動」「資源のリサイクル」「電力カット」「エコデザイン」と環境テーマが並びます。


 鉄道は車や飛行機との競争の中で歴史を重ねてきました。ここにきて環境という追い風をどう経営に活かすかという段階になっています。


 これだけ社会の移動交流が広まった中で、エネルギーをできるだけ少なく環境負荷を小さくするのか、事業者の努力と市民の選択が問われています。


今日のキーワード

”青い空は市民意識が集まってこそ”