在庫削減 | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 家庭の冷蔵庫を整理して出てくるゴミの量は半端でないようです。それだけ冷蔵庫の中にはとりあえず買っておけば使うだろうとか、安い時にたくさんまとめてというものがあふれているということでしょう。


 買い物はまとめて効率よく週に1回、2回ということで冷蔵庫に備蓄しておくというのは本来の目的内仕様でしょう。しかし、とりあえずとつっこんでおくのはどうでしょう。必ずしも必要とまで言えないものまでに使うことにもなります。


 ここで冷蔵庫がどういう状況になっているのかを考えてみます。


 一つはすぐには使わないものの滞留場所であるということです。すぐ使うのであれば必要のないものです。

 二つ目がマヨネーズや牛乳など一つのものを何日間かに分けて使う部品分割場所としての理由によるものです。

 三つ目が大量まとめ買い効果をねらったものです。実に多い使用目的です。

 四つ目がある時点しか手に入らないものを買っておき保管しておくというものです。

 五つ目がもらいものなどのいわば送り込まれたものの置き場です。

 六つ目が料理の途中で冷却したり凝固させるための加工過程での使用があります。


 在庫理由はまだまだ挙げられるのでしょうが、これらの理由が企業活動の中での在庫理由と同じものがかなりの部分になっています。


 企業活動の中では設計、調達、生産、販売、物流などの流れの中でものの滞留、すなわち在庫が随所に見られます。原材料在庫、製造途中の仕掛かり在庫、完成品罪庫、中通団塊の商品在庫、もう少し拡げてみると何らかの理由による返品罪庫、使い物にならなくなった死蔵品在庫、再利用や再生するための環流在庫などもあります。


 よくよく在庫になっている各段階を見直してみると一連の過程でのつなぎ目の部分で滞留し在庫になっているというのはいうまでもありません。すべての工程でタイミングが合った形で流れているとしたら中間での止まった在庫は無いことになります。あるのは全工程上にのって流れている生産活動、流通活動の中でのフロー量だけです。これは正しい量として存在自体は問題視されません。


 では問題となるのは各節目、リンクでの滞留です。そして、これを生み出しているのが本来は1個ずつ流れていればいいものを数個あるいは数百個という単位で作うとしたり流そうとしたりすることによるひずみから来るものです。流れを整流にしてやる必要があります。


 もう一つの大事なことは前工程から入ってくるタイミングです。自工程で必要なものが必要な時に必要なだけ入ってくるようになったとしたら入り口での在庫は必要なくなります。


 在庫を減らすということは流れのしくみ作り問題になることが分かります。


 先日、在庫削減セミナーに参加された方々は製造企業の購買や生産管理の方々が中心でしたが、この息の長いカイゼン活動にアクティブに取り組まれるものと思われます。


京のキーワード

”在庫削減は流れのしくみ作りで”