ロープのはり | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

ロジスティクスや物流現場、日々報道されるニュースなどを直視したり斜に構えたりしてビジネスや社会生活のヒント、情報をちりばめます。

 打てば響く、そんな緊張感のある企業。目指したいものです。


 在庫削減に取り組んでいる企業、そうしたいと思っている企業は数多くあるようです。少なくとも経営者の中には「在庫は宝もの」と考えている人たちはいないのでないでしょうか。それよりもキャッシュですよね。


 しかし、物流部門、その中でもお客様への出荷窓口となるセンター担当者や受注窓口、調整担当は日々の業務では注文数より貼るか多くの在庫を持っている方が楽なのです。どんな注文にも応えられるのですから急な注文にもあわてるることもありません。


 これは営業部門の方にもよく見られることです。お得意先に文句を言われないよう物流センターには在庫をたくさん持っていてもらいたい。当然の理です。


 生産はどうでしょうか。早急な注文に対応して何回も段取り替えをしてやってたらコストがどんどん跳ね上がるしいくら時間があっても足りないよとなります。


 しかし、これらの思い、何かが欠けているようです。


 余分に抱えているものは売れるものか売れ残ってしまうものか不確定なのです。又、在庫を抱えれば抱えるほど在庫コストというものがかかってきます。在庫ロス、コストロス、これらが馬鹿にならないのは多くの企業で見られます。


 それよりも大きなもの、「市場に即応できる企業力」です。


 今の時代、どんどん変化しています。極端に言えば何が売れ何が売れなくなるのか分からない時代です。そんな中で求められる企業力は変化への対応力です。


 需要の変化を敏感にとらえ全社にそれを認識、反応してもらうには在庫が邪魔になります。ロープをゆるませることなく張り詰め最先端からもとのところまで響くようにすることが大切なのでないでしょうか。一つ売れれば、それがもとの所まですぐ伝わる、そして次の対応をする、そんな緊張感こそ必要でしょう。


 在庫削減、究極はこんな企業づくりの一過程です。


今日のキーワード

”打てば響くを目指す”