ロジスティクスを突きつめていくとサプライチェーン全体で解決せざるを得ないとの結論に達してしまいます。サプライチェーンの中のどこか一つでも問題箇所があればそこがボトルネックになってチェーン全体がうまく立ち行かないのです。これを直そうとそこをうまく回せるようにすると今までは問題なかったとされるところの問題が顕在化します。
同じことが現在の消費社会にもあたります。
まず、生産でコスト削減が始まりとはなりますが徹底的な「ムダの排除」に取り組みます。(少なくとも日本の多くの企業ではQC活動を中心とするものを行ってきました。)そこで、まずは不良を出さない、そしてムダな在庫や滞留は減らす、そしてインプットしたものが短期間の間にアウトプットされキャッシュに換えられるという形にまでなってきました。
中間の販売面ではどうでしょうか。
中間卸も小売りと直結した滞留無き物流を、そして小売りの物流センターでも同様な動きや活動がされています。小売りの店頭でも随分ムダナ在庫は削減されているようにも感じられます。
しかしながら小売りにとっては売上げを上げ利益を得るということがテーマの本題です。お客様の望むもの、役に立つものをいつも安価に提供するということです。
ここで問題となるのが、あまりにも集客や売上げを意識せざるを得ない小売り間競争です。この十年間でも多くの小売りの統廃合などが続けられてきたことからもこれの表れでないでしょうか。この中で目立つのがチラシ折り込みや店頭発表の「特売」です。一般消費者は生活防衛意識もありできるだけ安く買い物をする習性が身についてきました。
さて、消費者の問題、「賢い購買行動」の中に「価格」意識しかないことです。いや、「産地や品質」意識も強いことは日本では特に強いのですが・・・。
一つ欠けているのが「適正量」という考えです。そうです。適正量以外の買い物はムダな買い物です。いつまでこの「ムダ」を続けるのでしょうか?
連日、キャンペーンされる環境問題、過程からの環境負荷低減はこの問題もテーマの一つとなります。
朝日の関西では25面の生活欄で”「手つかず生ゴミ」3割”という京大環境保全センターの記事が出ています。今回は京都市のサンプル家庭145世帯のものを調査したものですが、調理や開封無しにすてられた手つかず食品が28%もあったようです。安売りのシールが貼られたものが多かったようです。
目の前の安さが個人の計画性よりも勝っているのでしょう。
インプット側のムダの排除だけでなくサプライチェーンの中間、最終段階でも「ムダの排除」を意識して取り組みたいものです。
そう「ムダをなくすのは」サプライチェーンのすべて、デマンドチェーンのすべての人たちが取り組むべき問題です。ここから世界の食糧問題、環境問題も考えられるのでないでしょうか。
今日のキーワード
”すべての人がムダを考えたい”