在庫を減らすと投資可能なキャッシュが増えることは世間一般の考え方として広く行き渡っています。もう一つの在庫削減効果、「活用できるスペースを創出する」ということはそう簡単ではないと挫折するところもあるようです。
確かに在庫削減は外部倉庫などを借りている場合などは目に見えて効果が現れます。減らした分、空くのですからそれを返却すれば倉庫代もかからなくなります。
問題は自社内で在庫を抱えている場合です。特に在庫をライン側などに分散して抱えている場合には場所的には小さなスペースの中での削減です。例え在庫を半減できたとしても5割場所が減った分をどう活用できるのかとなると妙案が浮かんできません。例えばライン側10㎡であったのが5㎡になったとします。生産のスペースに200㎡や300㎡に対してほんのわずかしか空きスペースがないことになります。
ここで必要なことは中期計画規模のマスタープランに基づいた考え方です。例え1カ所ではわずかのスペースでも各所で在庫を半減できたとしたら合計での空きスペースでは生産ライン一つ、二つの場所があるのかもしれません。全社規模でどう活かすかを考えることでしょう。全体の組み替えで新たな技術を活かしたラインを創れるかも分かりません。さらに今までより流れをよくすることができるかもしれません・
すぐに活用できなくても在庫削減は新発想を呼び起こすチャンスなのです。それこそが活スペースです。全社レベルでの知恵出しの機会なのでしょう。
今日のキーワード
“部分では効果が見られなくても合わせれば大きい効果が出ることもある”