米国産牛肉の危険部位問題、米国発表で気になる部分があります。日本では輸入を認めていないBSEの原因物質が付着しやすい「特定危険部位」とされる脊柱の混入です。
その危険性や科学的な根拠は別にして、気になるのは米国からのコメントです。
米国農務省の報道官は「日本への出荷を意図したものではなかった」とする生命を23日に発表し誤って輸出された可能性を示唆しています。
現実に米国内向けには緩い製造管理基準、日本向けにはレベルの高い製造管理基準が同一工場で用いられているとすると・・・・。
きわめて難しいことをやっていると言わざるを得ません。同一工場、同一ライン、同一作業員で二つの基準を使い分けることが難しいのは作業をやっている方にはよく分かることです。全く異なる場所で専業ラインで行うなら一つの基準ですからそれだけに徹していればいいのでしょう。異なった基準のものははねればいいのです。これが同一のところでやるとなると時間的に二つの時間帯に分けなければなりません。脊柱そのものが除去され肉にもBSE原因物質が肉自体に付着しない作業手順にもしなければなりません。又、作業上自体の消毒と模様替えも必要です。
とすると、農務省の発表を受ければ「意図したものではなかったけれども誤って混入する製造方法、管理方法」であったということになります。
人には「うっかりミス」というものが少なからず持ち合わせているものです。この「うっかりミス」をなくすのが製造ラインの「つくり込み」です。基準の異なったものを扱うのは全く異なった基準に基づいたラインでということになるのでしょう。さもなければ、出荷時の全量検査ということになるのですが、脊柱があるかどうかだけでなく危険物質が付着しているかどうかとなると目では見られませんからそれも不可能です。やはり違った環境しかありません。
今日のキーワード
“人のやることにミスはつきもの、それを防ぐにはしくみの作り込みと訓練で”