太く短く | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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ロジスティクスや物流現場、日々報道されるニュースなどを直視したり斜に構えたりしてビジネスや社会生活のヒント、情報をちりばめます。

 ものを運ぶ原則と言われます。

 同じルートでものを運ぶ時、ある量を一度に運ぶのと分割して運ぶのでは運賃や環境負荷などの面で一度にすませる方に理があるのはまぎれもないことです。

 ある地点から目的地に運ぶルート選択は最短距離が最も効率的であるというのも否定できません。現実には交通渋滞の多いコース、直線距離は山道で負荷が多すぎるという諸条件も加わると一概に効率的とは断定はできないのですが・・・。

 「太く」といっても単独のコースで荷物を車いっぱいになるのを待っていると必要な時に届けられないことも考えられます。1日単位で届けるのが納入先の条件とします。しかし1車分を満たす量ではありません。どうすれば太くすることができるでしょう。同じ方面に向けて複数納入先を巡回するコースを組む方法があります。さらに同じ納入先に向けて他の荷主さんの荷物と一緒に運ぶという方法もあります。こういったいろいろな方法が物流業界では行われています。しかし、昔ながらのやり方のままのところも多いようにも思われます。もし、まだやっていないのならこのあたりから初めてみるべきでしょう。

 「短く」はドライバーさんなら少なくとも試しているのでないでしょうか。短いほど運転時間も少なくなりますから・・・。しかし、複数の荷下ろし地があればどこをどう回るのかが短いことになるのかも計算してみればおもしろい結果が得られます。このあたりは運行管理者の方や運行管理ソフトの力を借りてやることになります。もとろん、正確な距離呈をつかんでおくことも必要です。

 さらに「太く」と「短く」を組み合わせて考えるといろいろと運び方が見えてきます。上手なルートづくりの中で複数荷主の荷物を共同で積み合わせる、荷下ろし地で次の荷物を積んでルートの中の積載効率をさらに高めるなど、いろいろ方法が見えてきます。

 企業の物流費で大抵は輸配送コストが最も多い項目であるのが普通でしょう。これを少し工夫するだけで大きなコスト削減と環境負荷低減に結びつけることができます。是非、「太く、短く」を試していただきたいものです・

今日のキーワード

“最も基本的なチャレンジ、太く・短く!”