しかかり時間をできるだけ素早くすることの大切さを書いたことがありますが、実務を終わらせる時間も「10分前」としてみればいろいろ効果が期待できます。
定時あるいは残業時間の区切りのいい時間ぴったりに終わるのと余裕を持って10分前に終わるのとには大きな違いがあります。
まず、時間通りに終わる場合は何となく時間になったから終了するという自然に「なってしまう」現象、10分前にということは10分前に「終わらす」という意思の入った行為です。そうです、後者は強い積極的な行為です。
さらに前者の場合は実務を何となくやっている、とにかく時間内に終わらせればいいということで実務の中身がどうであれ終わるということ自体が目的化されたものといえます。一方、後者は10分前に終わらすということで実務の中で密度を濃くするために何らかの工夫がなされます。このことに重要な意味があります。「働く」中に常に考えながら意識して働く、工夫をする、質を高めるなどが含まれることになります。
もう一つ、「10分前に終わる」にはこの10分間に非常に重要な意味が込められています。1日の振り返りと問題点を知り改善策を考える、翌日あるいは未来に向けどうしていくかの出発点になる様々なヒントを見つける時間とすることができるのです。
プロ野球の著名な野手の中には試合後、いい感触を忘れないため、あるいはその日どうしてもうまくいかなかったことを矯正するため身体にしみ込むまで、納得のいくまで打ち込みを行っているということもよく耳にします。
一般企業においても同様に10分前に積極的に実務を終わらせその日の振り返りと前向きなやり方の工夫を日々実践し身につけていくと1ヶ月後、1年後には大きな成長が期待できるのでないでしょうか。
チームワークの現場作業でも同様です。むしろ、10分間みんなで改善活動の話し合い時間や職場の手直し時間に充てていれば多くの知恵と工夫が出てくるのでないでしょうか。
今日のキーワード
“積極的10分前終了を成長に活かせ!”